お茶の産地雑学

和束茶(わづかちゃ)の特徴とは|京都の茶源郷が生んだ宇治茶の1つ

和束茶お茶の産地

日本三大銘茶の1つである宇治茶。宇治茶の1つに「和束茶」というお茶があります。

しっかりした味と香りの良さで知られる和束茶ですが、一体どのようなお茶なのでしょうか。

今回は和束茶の歴史や特徴について解説します。

和束茶(わづかちゃ)とは?

和束茶 とは

「和束茶」とは、京都府南部にある和束町(わづかちょう)で生産されるお茶です。読み方は「わづかちゃ」です。

和束町は京都最大の茶産地といわれており、その歴史は800年以上前からと古いです。

和束町の特徴は、標高が高くお茶栽培に適した地形であること。標高100m以上の高地にあり、山に囲まれているため昼夜の寒暖差が大きいです。山間部特有の寒暖差は、豊かな霧を生み出し、美味しい茶葉を育てます。

この豊かな茶栽培の環境から、和束町は「茶源郷(ちゃげんきょう)」ともよばれています。

なお、和束茶は遮光資材で茶畑を覆う「被覆栽培」で作られることが多いです。被覆栽培で育てられるお茶は、かぶせ茶や、抹茶のもとになる「てん茶」となります。

また和束茶は高品質なお茶であるため、やや高価です。製品にもよって異なりますが、煎茶100gあたり1,800円~2,000円ほどが相場です。

和束茶(わづかちゃ)と宇治茶の違いについて

和束茶は、宇治茶のブランドの1つで宇治茶の約半分を占めます。

宇治茶とは、京都や宇治田原周辺で生産・加工されるお茶の総称です。なお、「京都・奈良・滋賀・三重の四府県産茶で、京都府内業者が府内で仕上・加工したもの」と定義されており、厳密には京都産のものだけではありません。

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和束茶(わづかちゃ)の歴史

和束町は、800年以上前からお茶作りが盛んに行われてきた地域です。

遡ること鎌倉時代に、京都・木津川にある海住山寺(かいじゅうせんじ)に慈心上人(じしんしょうにん)という高僧がいました。この慈心上人が、明恵上人(みょうえしょうにん)という僧からお茶の種子を分けてもらい、和束町にある鷲峰山に植えて栽培をしたのが始まりといわれています。

和束茶(わづかちゃ)の特徴

和束茶 特徴

和束茶の特徴は2つあって、1つが強い味です。和束町は山間部であるため昼夜の寒暖差が大きいです。そのため、深い霧が出て、日照時間も少なく、旨味や甘味が強いお茶が生まれるのです。

味は強いものの苦味は少なく清涼感があります。水色も淡くあっさりした飲み口です。

もう1つが香りの良さです。被覆栽培されて生育したお茶には「覆い香」とよばれる磯っぽい香りがあります。

和束茶(わづかちゃ)の味や香りについて

和束茶 味

和束茶を実際に飲んだ人の感想をいくつかXから集めてみました。以下抜粋。

海や磯のような覆い香と強い旨味を感じる方が多いようですね。しっかりした濃い味が好きな方におすすめのお茶です。

和束茶(わづかちゃ)の美味しい入れ方

和束茶 入れ方

和束茶の煎茶の入れ方をご紹介します。

急須に茶葉を入れます。一杯分は約5gです。そこに、70度ほどに冷ましたお湯を注ぎます。沸騰したての熱湯を入れると、お茶の苦味や渋味が出てしまうので注意してください。

あとは急須の蓋をして、1分30秒ほど蒸らしてから湯呑に注げばOKです。蒸らし時間はお好みで短くしたり長くしたりしてください。

注ぐときは最後の一滴まで注ぎ切ると、二煎目からも美味しく楽しめます。

和束茶(わづかちゃ)の賞味期限について

和束茶の賞味期限は、製品にもよりますが、未開封の状態で半年ほどもつものが多いです。一度開封したらしっかり密封して、高温多湿の場所を避けて保存し、賞味期限に関わらず早めに飲み切りましょう。

まとめ

濃厚な旨味と香りが特徴の和束茶は、贈り物にもおすすめです。

本記事を参考に、京都が生んだ美味しい和束茶をぜひお試しください。

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塩原大輝(しおばらたいき)
有限会社山年園 代表取締役です。巣鴨のお茶屋さん山年園は、巣鴨とげぬき地蔵通り門前仲見世にあり、60年余りの間、参拝のお客様にご愛顧頂いている茶舗「山年園」です。健康茶、健康食品、日本茶、巣鴨の情報などをメインに、皆様のお役に立てる耳寄り情報をまとめています。
このコラムを書いた人
塩原大輝(しおばらたいき)

有限会社山年園 代表取締役です。巣鴨のお茶屋さん山年園は、巣鴨とげぬき地蔵通り門前仲見世にあり、60年余りの間、参拝のお客様にご愛顧頂いている茶舗「山年園」です。健康茶、健康食品、日本茶、巣鴨の情報などをメインに、皆様のお役に立てる耳寄り情報をまとめています。

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