夏の風物詩とも言えるうなぎの蒲焼き。暑い夏にはぜひ食べたい一品ですね。
日本には「土用の丑(うし)の日」という風習があります。
この風習は、急に暑くなり体がバテやすい時期に「うなぎを食べて元気に乗り切ろう!」という趣旨のもと始まったものです。
せっかく食べるなら、うなぎに含まれている栄養価や、アレンジレシピなども気になりますね。
今回は、うなぎの蒲焼きの魅力についてたっぷりご紹介します。
うなぎの蒲焼きとは
うなぎは、日本だけでなくヨーロッパ諸国やベトナムなどでもよく食べられています。揚げ物にしたり、ワイン煮や燻製にしたりするのが一般的です。
一方、蒲焼きにして食べるのは日本独自の文化のようです。
うなぎの蒲焼きは、製法によって大きく以下の2種類にわかれます。
うなぎの蒲焼きの種類
まずは「関東風」です。
関東風は、うなぎを背中側から割いて調理します。これを「背開き」と言います。
この背開きしたうなぎに串を打ち、いったん炭で素焼きをしてからせいろで蒸します。
蒸したものにタレをつけて再度炭火焼きすれば完成です。
蒸す工程を入れることで、うなぎの身がふんわりとジューシーになります。
一方「関西風」は、背中側からではなく腹側から開きます。それを串打ちにして炭焼きをし、タレをつけて再度焼きます。
関東風との違いは、蒸す工程を入れていないことです。
蒸さずに二度焼きしているので、皮がパリッと香ばしい蒲焼きになります。
ちなみに「串を刺す」ではなく「串を打つ」という表現になったのには理由があります。
うなぎの蒲焼きが大衆に広まった江戸時代、「刺す」は忌み言葉でした。
そのため、うなぎの串は「刺す」ではなく「打つ」と言われるようになったそうです。
うなぎの蒲焼きの発祥
では、日本ではいつ頃からうなぎを食べるようになったのでしょうか?
うなぎが食用として初めて文献に登場したのが「万葉集」です。
7世紀後半〜8世紀後半にかけて作られた、国内でもっとも古いと言われる歌集です。この万葉集の中に、奈良時代の歌人、大伴家持(おおとものやかもち)の歌があり、その1つにうなぎが出てきます。
「石麻呂に 吾れもの申す 夏痩せに よしといふものぞ 鰻とり食せ」
ただ、当時はまだ蒲焼きという調理法は記載されていません。
うなぎの蒲焼きが初めて記されたのが、応永6年に書かれた書物「鈴鹿家記(すずかかき)」です。
京都吉田神社の神官であった鈴鹿(すずか)家が、社務などを記録した書物です。この中に、筒切りにしたうなぎを串に刺して焼いた記録があります。その姿が沼地によく生えている蒲(がま)の草に似ていることから、「蒲焼き」と呼ばれるようになったと言われています。
そのあと室町時代までは、うなぎは塩や酢味噌などと食べるのが主流でした。
江戸時代になり醤油が作られ始め、千葉県銚子で濃口醤油が生まれました。
この濃口醤油を塗って焼いた蒲焼きが人々にうけて、そのまま定着していったようです。これが今私たちが食べているうなぎの蒲焼きの原型です。
うなぎの蒲焼きと白焼きの違い
うなぎの蒲焼きといえば、香ばしい醤油ダレが浸み込んだタイプが一般的です。
一方、タレにつけずにそのまま焼いただけの「白焼き」もあります。
うなぎの名産地として有名な浜松・浜名湖近辺では、この白焼きのほうが人々に親しまれています。
うなぎに含まれる成分・栄養価
夏バテのときに食べるイメージのあるうなぎですが、どのような栄養素が含まれているのでしょうか。
ビタミンA
まず特筆すべきはビタミンAです。
うなぎには多くのビタミン類が含まれていますが、もっとも多いのがこのビタミンAです。
含有量はうなぎの蒲焼き100g(約1人前)に対して1500㎍(マイクログラム)にもなります。
成人男性の一日の摂取目安量がおよそ900㎍、女性で700㎍なので、一人分のうなぎの蒲焼きを食べるだけで補えることがわかります。
カルシウム
うなぎはカルシウムも豊富です。
うなぎの蒲焼き100gあたり150mgほど含まれています。
カルシウムの一日の摂取目安量は、30代以上は男女とも650~700mg、20代の男性でいうと800mgと言われています。
うなぎの蒲焼き一人分で、だいたい1/4~1/5が補えます。
DHA(ドコサヘキサエン酸)
DHA(ドコサヘキサエン酸)は高度不飽和脂肪酸の一種で、α-リノレン酸から作られています。
α-リノレン酸はエゴマ油やアマニ油などの植物油に多く含まれています。
ちなみにうなぎの蒲焼き100gには、DHA(ドコサヘキサエン酸)は1300mgほど含まれています。
DHA(ドコサヘキサエン酸)は人間の体内で生成できないため、うなぎをはじめとする食物から意識的に摂りたい必須脂肪酸です。
うなぎの蒲焼きの食べ方・アレンジレシピ
うなぎの蒲焼きの食べ方の定番といえば、シンプルに白いごはんの上に載せて食べるうな重です。
しかし、実はもっといろいろな食べ方があります。いつもうな重ばかりという方にこそ試していただきたい、うなぎの蒲焼きのアレンジレシピをいくつかご紹介します。
うなぎ茶漬け
お手軽なアレンジ方法といえば、うな茶漬けです。
ひつまぶし同様、うなぎの蒲焼きはお茶漬けと良く合います。
作り方はとても簡単です。
ごはんの上にうなぎの蒲焼きとお好みの薬味を載せます。
小さく刻んだネギや海苔、白ごまやわさびなどがおすすめです。
その上からだし汁をかけるだけで、体が温まるうなぎ茶漬けになります。
食欲がないときにもぴったりの優しい味わいです。
卵とじ
食べやすい大きさに刻んだうなぎの蒲焼きをフライパンであたため、そのあとふんわりと卵でとじれば、どなたでも食べやすいお手軽メニューになります。
三つ葉や山椒をかけて熱いうちにお召し上がりください。
うなぎパスタ
意外と合うのがパスタとの組み合わせです。ゆでたパスタに一口大に切ったうなぎの蒲焼き、バター、小口切りの万能ねぎを混ぜて、塩コショウで味を整えるだけ。
うなぎの香ばしい醤油ダレとバターのハーモニーがたまらない、特製パスタの完成です。
バターの替わりに、和風だし汁とオリーブオイルを絡めて和風パスタにしてもおいしくいただけます。
うなぎの蒲焼きの温め方
ご自宅でうなぎの蒲焼きを食べる際の、温め方のコツをご紹介します。
値段も高く、なかなか頻繁には食べられないうなぎだからこそ、ちょっと工夫をしてよりおいしく食べましょう。
電子レンジ
関東風におすすめの温め方が電子レンジです。
うなぎに少し水や料理酒を垂らしてからふんわりラップをかけて温めましょう。温めすぎるとせっかくのうなぎの水分が抜けて身がパサついてしまうので注意です。
湯せん
電子レンジで温めすぎてパサパサになってしまうのが嫌な方は、湯せんをしましょう。
大きめの鍋にたっぷりのお湯を入れて沸騰させ、真空パックのままのうなぎの蒲焼きを投入します。
冷凍されたままでOKです。8分ほどゆでれば、ふっくらと水分を保ったおいしいうなぎの蒲焼きができあがります。
グリルやトースター
皮をカリッと仕上げたい関西風におすすめなのが、グリルやトースターで焼く方法です。
冷蔵庫で5時間ほどかけて解凍させたうなぎの蒲焼きを、アルミホイルの上に並べます。
最初は皮を上にしてグリルやトースターに入れます。
皮表面にこんがりと焼き目がついたら、ひっくり返して身を上にしてまた焼きます。
うなぎの表面の脂がフツフツとしてきたら完成です。
フライパン
グリルを洗うのが面倒な方は、手軽にフライパンで温めてもOKです。
こちらの方法も、まずはうなぎの蒲焼きを冷蔵庫で解凍しておきます。
関東風の場合は、うなぎ表面に水を数滴垂らして、加熱していないフライパンに載せてふたをし、蒸し焼きにします。
ふたをすることでふっくら仕上がります。
油をしいたフライパンを先に少し温めておき、解凍したうなぎを入れて両面焼けば、こんがりとした関西風になります。この場合はふたは不要です。
山年園が販売するうなぎの蒲焼きについて
弊社でもうなぎの蒲焼きを販売しています。
鹿児島県で丹精込めて養殖されたうなぎを蒲焼きにして、おいしさと香ばしさをそのままパウチ包装しています。
常温保存が可能で、開封したら電子レンジやフライパンで温めるだけ!
大切な方への夏の贈り物にもおすすめです。
山年園こだわりのおいしいうなぎの蒲焼きを、ぜひご賞味ください。
商品名 | うなぎ蒲焼 |
商品区分 | 食品 |
内容量 | うなぎ蒲焼 135g、たれ 10mg、さんしょう 0.1g |
原材料名 | 【うなぎ蒲焼】うなぎ(鹿児島県産)、しょうゆ(大豆・小麦を含む)、砂糖、みりん、水あめ、発酵調味料、澱粉 【添付たれ】しょうゆ(大豆・小麦を含む)、砂糖、水あめ、みりん、発酵調味料、澱粉、うなぎエキス 【添付さんしょう】さんしょう |
保存方法 | 高温多湿を避け常温で保存 |
販売事業者名 | 有限会社山年園 〒170-0002 東京都豊島区巣鴨3-34-1 |
製造所 | 【うなぎ蒲焼】(株)宇美フーズ 福岡県糠屋郡宇美町大字宇美2453-7 【添付たれ、添付山椒】ユタカフーズ(株) 愛知県知多郡武豊町宇川脇34-1 |
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