世界中で愛されるお茶のひとつである「紅茶」。
身近な存在ですが、専門店に行くと種類や専門用語の多さに圧倒されますね。
この記事では、知っているようで知らない紅茶の種類について詳しく紹介します。
紅茶の種類
紅茶の種類は、大きく分けて「ストレート」「ブレンド」「フレーバー」の3つに分けられます。
1.ストレート
紅茶の「ストレート」とは、ひとつの産地の茶葉だけを集めたもので、コーヒーでいう「シングルオリジン」に相当します。
紅茶のストレートは、ダージリンやアッサム、ウバ、キーマンなどが代表的です。
2.ブレンド
紅茶の「ブレンド」とは、いくつかの産地の茶葉を混ぜたもの。
ブランドによって産地や配合が異なります。
オリジナルブレンドを定番商品とし、春や秋、クリスマスなど季節ごとのブレンドを展開する専門店も多いです。
代表的な紅茶のブレンドであるイングリッシュ・ブレックファストは、世界各国で親しまれています。
3.フレーバー
紅茶の「フレーバー」とは、ストレートやブレンドの紅茶に香りをつけたものです。
紅茶の定番である「アールグレイ」もフレーバーの一種。
アールグレイは、ベルガモットの香りをつけた紅茶の総称です。
ダージリンに香りをつけたもの、アッサムに香りをつけたものなど、企業や商品ごとに、様々な味わいのアールグレイがあります。
その他にも、リンゴやブルーベリー、マスカット、スパイスなどの香りをつけた紅茶も「フレーバー」の一種です。
紅茶の産地
ここでは、紅茶の代表的な産地を紹介します。
産地ごとに、様々な香りや味わいがあります。
自分の好みに合った紅茶の産地を知ることが、美味しい紅茶を選ぶコツです。
1.ダージリン
ダージリンは、北インド・ヒマラヤ山系に位置します。
茶葉は4~11月にかけて摘み取られます。
標高2,000m級の山の斜面で栽培され、激しい寒暖差が生み出す独特の香り、フルーティーな味わいは世界中で人気です。
2.ウバ
ダージリン、キームンと並んで世界三大銘茶に数えられるスリランカにある産地。
スリランカの中央部、標高1,000~1,700mで育ちます。7~9月が収穫の最盛期。
甘い花の香りとメンソール系の爽やかさを持ちます。
3.キームン
中国東部の安徽省祁門県(あんきしょう きもんけん)にある中国の代表的な紅茶の生産地です。
4月頃に収穫が始まりますが、8月の茶葉が最も品質が高いとされています。
キームンは標高300~1,800mで育ち、甘さと芳醇さが特徴的です。
イギリスのビクトリア女王、アメリカのルーズベルト大統領に愛された紅茶として知られています。
4.ニルギリ
南インドのガッツ山脈にある産地。ニルギリは現地語で青い山を意味し、「紅茶のブルーマウンテン」と言われることもあります。
1〜2月が収穫の最盛期です。爽やかな味わいと甘い芳醇な香りが特徴です。
5.アッサム
アッサムの産地はインドです。
アッサムは500m以下の低地で育ち、世界最大の紅茶産地といわれています。
茶葉の摘み取り時期は3~11月で、6~7月のセカンドフラッシュ(夏摘みの紅茶のこと)が高品質とされ人気です。
アッサムの約9割がCTC製法(Crush、Tear、Curl=茶葉を砕き、裂いて丸める)で作られます。
濃厚な味わいはミルクティー向きで、チャイにもCTC製法のアッサムがぴったりです。
紅茶の等級(グレード)
紅茶の「等級(グレード)」は、茶葉の大きさで決まります。
等級(グレード)というと良し悪しをイメージしますが、品質は関係ありません。
紅茶の等級(グレード)は、以下の7種類です。
1.OP(オレンジペコー)
細長くよじれた形をしています。
7~11mmと葉そのものは大きめですが、葉肉は薄いです。
蒸らし時間を長くすることで旨味が引き出されますが、水色は薄いです。
2.P(ペコー)
葉そのものは太めですが、長さは3~5mmくらいです。
ペコーとは、中国語で「若い芽の白い産毛」を意味する「白亳」に由来します。
OPよりも水色が濃いのが特徴です。
3.BP(ブロークンペコー)
茶葉を機械で3~5mmほどにカットしたものです。
水色はやや薄めですが、コクや香りはしっかりと抽出されます。
4.BOP(ブロークンオレンジペコー)
長さは2~4mmほどで、OPを造るときに機械でカットすることが多いです。
香り・コク・水色ともにしっかりしており、市販品のリーフに使われるなど、人気も需要もあります。
5.BOPF(ブロークンオレンジペコーファニングス)
BOPをふるいにかけたときに出る1~2mmほどの小さな茶葉です。
BOPよりも水色や味が濃く、早く抽出できるので、上級なティーバッグに使われます。
6.F(ファニングス)
ふるいで分けられる粉状の茶葉の総称が「ファニングス」です。
対して、茶葉の形がそのまま残っているのは「フルリーフ」、砕いたりカットしたりした茶葉を「ブロークン」と呼びます。
7.D(ダスト)
ふるい分けで得られる最小の茶葉で、大きさは1mm以下です。
味や水色、香りともに強く、浸出も早いので、良質な茶葉のダストは高値で取引されます。
まとめ
今回は紅茶の種類や等級について、詳しくお伝えしました。
一言に紅茶といっても、実に様々な種類があり、味わいも様々。
紅茶は知るほど奥深く、探究心をくすぐられる飲み物ですね。
当社でも、国産の和紅茶を取り扱っています。
「やぶきたブレンドの和紅茶」の他に、静岡県産の「栗の和紅茶」、愛媛県産の「レモンの和紅茶」といったフレーバーティーも販売しています。
飲み慣れている紅茶とはまた違った味わいがあるので、ぜひ一度飲んでみてみてください。
やぶきたブレンドの和紅茶はこちら
栗の和紅茶はこちら
レモンの和紅茶はこちら
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