お茶の品種日本茶雑学

「さえみどり」とはどんな品種?豊かな甘味と深い旨味が特徴【鹿児島産のお茶】

さえみどりお茶の品種

国内で流通している日本茶にはさまざまな品種があります。そのなかでも、特に渋味が少なく甘味や旨味を感じられるのが「さえみどり」という品種。

今回は、さえみどりの味の特徴や、他の品種との違いなどを解説します。

お茶の品種「さえみどり」とは?

さえみどり お茶

さえみどりとは、「やぶきた」と「あさつゆ」をかけ合わせてできたお茶の品種です。

さえみどりは鹿児島県で生まれ、今でもほとんどが鹿児島県で生産されています。他の茶産地に比べて鹿児島県の温暖な、気候に合ったお茶の品種といえます。

令和元年度に農林水産省が発表した調査によると、国内で生産される日本茶の茶園面積の割合は、下記のようになっています。

1位:やぶきた(71.5%)
2位:ゆたかみどり(6.3%)
3位:さえみどり(4.0%)

参照:お茶の栽培面積|農林水産省

このように、国内の日本茶生産量はやぶきたが圧倒的に多く、全体の7割ほどを占めています。今回ご紹介するさえみどりは3位です。

さえみどりとあさつゆの違い

「あさつゆ」は、やぶきたとともに、さえみどりの交配のもとになった品種です。

あさつゆもさえみどりと同じく、鹿児島県で生産されるお茶です。旨味が強く渋味が弱い点はさえみどりと同じです。

あさつゆの場合、さえみどりよりもさらに豊かな甘味を感じられます。あさつゆのまろやかで甘味の強い味わいは「天然玉露」とよばれるほど。

さえみどりとおくみどりの違い

「おくみどり」とは、やぶきたと「静岡在来16号」をかけ合わせてできた品種です。

甘味・渋味ともに強すぎずバランスが良いため、どなたでも飲みやすい味のお茶です。

さえみどりとゆたかみどりの違い

「ゆたかみどり」も、さえみどりと同じく鹿児島県で生産されるお茶です。

さえみどり同様に、温暖な気候での栽培に適した品種です。前述のとおり、やぶきたに次いで生産量は2位です。

ゆたかみどりはカテキン含有量が多いため、渋味が強く力強い味が特徴。反対にさえみどりは渋味が少なく、甘味や旨味が強いです。

さえみどりの産地と知覧茶について

さえみどり 知覧茶

さえみどりは、鹿児島県を中心に南九州市で栽培されている品種です。最近では静岡県や近畿地方でも栽培されています。

さえみどりのように鹿児島県南九州市で栽培されるお茶は知覧茶(ちらんちゃ)として総称されます。もともとは知覧茶、頴娃茶(えいちゃ)、川辺茶(かわのべちゃ)という3つの地域ごとの品種がありましたが、2017年に名称が統一されました。

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さえみどりの新茶の時期

さえみどりが栽培される鹿児島県は本州の最南に位置し、非常に温暖な気候です。そのため新茶は国内で1番早いといわれています。

一般的に新茶の時期は4月下旬~5月上旬頃が多いですが、さえみどり含む知覧茶の新茶は3月下旬には始まります。その早さから、知覧茶の新茶は「走り新茶」ともよばれます。

さえみどりの特徴

さえみどり 特徴

さえみどりの特徴をいくつか解説します。

耐寒性があるが霜には弱い

さえみどりは耐寒性に比較的強いといわれています。

一方で霜には弱く、特に春の発芽の時期から発生する遅霜(おそじも)による晩霜害(ばんそうがい)を受けやすいです。

早生品種である

さえみどりはお茶のなかでも早生(わせ)品種です。早生品種とは、茶葉の摘採時期が早い品種です。反対に、茶葉の摘採時期が遅い品種は晩生(ばんせい)品種とよばれます。

深蒸し茶で、甘味や旨味が強い

深蒸し茶とは、一般的な煎茶よりも長く蒸して作られたお茶のこと。煎茶では30~40秒ほど蒸すところを、深蒸し茶では1分以上蒸します。

深蒸し茶は長時間じっくり茶葉を蒸すため、茶葉がやわらかくなってカテキンやビタミンC、カルシウムなどが煎茶よりも多くなります。

さらに、味は苦味や渋味が少なく、まろやかで旨味が強くなります。甘さを感じやすく、とても飲みやすいお茶です。

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ケルセチン配糖体が多い

さえみどりは、やぶきたよりもケルセチン配糖体が多く含まれています。ケルセチン配糖体は新芽よりも熟した茶葉に多く含まれています。

ケルセチンはフラボノイドの一種で、玉ねぎの皮に多く含まれることで知られています。

さえみどりの味と香りについて

さえみどり 味

Xから、さえみどりを実際に飲んだ方の味や香りの意見をいくつか紹介します。

深蒸し茶らしく、まろやかな旨味や甘味を感じる方が多いようですね。渋味が少なく甘いさえみどりは、どなたでも飲みやすいお茶です。

さえみどりの美味しい入れ方

さえみどり 入れ方

急須に約5gのさえみどりの茶葉を入れ、70度ほどに少し冷ましたお湯を注ぎます。

沸騰したての熱湯を注ぐと、茶葉の苦味や渋味が出すぎてしまいます。反対に70度ほどのお湯で入れると、旨味や甘味が抽出されやすくなります。

1分~1分半ほどじっくり浸出したら、湯呑みに注ぎましょう。注ぐときは最後の一滴までしっかり注ぎ切ることで、二煎目からも美味しく楽しめます。

山年園で販売しているさえみどりについて

山年園でもオリジナルのさえみどりを販売しております。

「知覧さえみどり」は、当社が契約している篤農家らによって、徹底した管理のもと作られた美味しいお茶です。ふくよかな旨味と甘味を感じられるさえみどりを、ぜひお試しください。

知覧 さえみどり
商品名煎茶
商品区分飲料
内容量100g
原材料名
保存方法高温・多湿を避け移り香にご注意ください。
販売事業者名有限会社山年園
〒170-0002
東京都豊島区巣鴨3-34-1
店長の一言当店でも非常に人気な日本茶です(^-^)/

知覧さえみどりの購入はこちら

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塩原大輝(しおばらたいき)
有限会社山年園 代表取締役です。巣鴨のお茶屋さん山年園は、巣鴨とげぬき地蔵通り門前仲見世にあり、60年余りの間、参拝のお客様にご愛顧頂いている茶舗「山年園」です。健康茶、健康食品、日本茶、巣鴨の情報などをメインに、皆様のお役に立てる耳寄り情報をまとめています。
このコラムを書いた人
塩原大輝(しおばらたいき)

有限会社山年園 代表取締役です。巣鴨のお茶屋さん山年園は、巣鴨とげぬき地蔵通り門前仲見世にあり、60年余りの間、参拝のお客様にご愛顧頂いている茶舗「山年園」です。健康茶、健康食品、日本茶、巣鴨の情報などをメインに、皆様のお役に立てる耳寄り情報をまとめています。

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