お茶の産地日本茶雑学

おくみどりの特徴|甘い味わいで抹茶や玉露にぴったり【お茶の品種】

おくみどりお茶の産地

お茶は品種ごとにさまざまな特徴がありますが、なかでも甘みと水色の美しさで人気の品種が「おくみどり」です。

「おくみどり」とはどんなお茶の品種?

おくみどり 品種

「おくみどり」とは、「やぶきた」と「静岡在来16号」を交配してできたお茶の品種です。

品種として登録されたのは昭和49年です。

産地は鹿児島県や京都府が中心ですが、耐寒性が高いため育てやすく、栽培地域は全国に広がっています。

甘みや旨味が強く、美しい緑色の水色も特徴で、玉露や抹茶にも適した品種です。

「おくみどり」と「やぶきた」の違い

「やぶきた」は、国内生産量の7割ほどを占める品種です。「おくみどり」の親の品種でもあります。

「おくみどり」は甘みや旨味が強く、苦みが少ないです。一方の「やぶきた」は、しっかりした苦みも感じられ、甘み・旨味・苦みのバランスがとれています。

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「おくみどり」と「おくゆたか」の違い

「おくゆたか」は、新茶の時期が遅い中晩生の品種です。「おくみどり」は、さらに新茶の時期が遅い晩生品種です。どちらも旨味が強くまろやかですが、特に「おくゆたか」は優雅な香りがあります。

生産量には大きな違いがあり、「おくゆたか」は生産量が非常に少ない希少品種ですが、「おくみどり」は全国的に生産量が多いです。

「おくみどり」と「さえみどり」の違い

「さえみどり」も「おくみどり」と同じく、甘みや旨味が強くまろやかなお茶の品種です。

双方の違いは、新茶の時期。「おくみどり」は晩生品種であるため、他の品種と比べて新茶の時期が遅いです。

反対に、「さえみどり」は早生品種なので、早いと3月下旬ごろには採取が始まり、もっとも国内で新茶が早い品種です。これは、「さえみどり」の主産地が温暖な鹿児島県であることが大きな理由です。

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「おくみどり」の特徴

おくみどり 特徴

「おくみどり」の特徴をいくつか解説します。

優しい甘みで、抹茶や玉露向き

「おくみどり」はお茶の甘みや旨味成分であるテアニンの含有量が多いため、甘みや旨味が強くまろやかな味わいがあります。そのため、玉露や抹茶にも向いています。

苦みやクセが少ない

苦みや渋み、クセは少ないため、シンプルに煎茶にするのもおすすめです。苦めのお茶が得意ではない方も飲みやすいはずです。

深みのある緑色

「おくみどり」の名のとおり、水色は深く美しい緑色です。この緑色の美しさも玉露や抹茶に適したポイントです。

晩生品種である

名前に「おく」がつくお茶の品種は、中晩生や晩生品種です。

「おくみどり」も晩生品種で、「やぶきた」と比べると新茶の時期は1週間ほど遅いです。

「おくみどり」の味について

おくみどり お茶

Xから、「おくみどり」を飲んだ方の感想をいくつか紹介します。「おくみどり」の味の参考にしてください。

「おくみどり」の大きな特徴である、甘みや旨味を感じる方が多いようです。まろやかでやわらかい風味は、ティータイムやリラックスタイムにもぴったり。

「おくみどり」の美味しい入れ方

おくみどり 煎茶

「おくみどり」の特徴である甘み・旨味を十分に引き出すには、少しぬるめのお湯で淹れるのがポイントです。

「おくみどり」の煎茶では、1人分あたり3~5gほどの茶葉を急須に入れ、70~80度のお湯を注ぎます。

このくらいの温度で淹れることで、おくみどりに多く含まれるテアニンがしっかり抽出され、甘みと旨味が出ます。あとは急須に蓋をして、1~2分ほど蒸らせばOK。

2煎目は、1煎目よりも少し熱めのお湯で蒸らし時間は20~30秒ほどと短めに淹れましょう。1煎目とはまた違った風味を楽しめます。

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まとめ

深い甘みと、目にも美しい緑色のお茶を楽しめる「おくみどり」。まろやかで飲みやすい味わいを、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。

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塩原大輝(しおばらたいき)
有限会社山年園 代表取締役です。巣鴨のお茶屋さん山年園は、巣鴨とげぬき地蔵通り門前仲見世にあり、60年余りの間、参拝のお客様にご愛顧頂いている茶舗「山年園」です。健康茶、健康食品、日本茶、巣鴨の情報などをメインに、皆様のお役に立てる耳寄り情報をまとめています。
このコラムを書いた人
塩原大輝(しおばらたいき)

有限会社山年園 代表取締役です。巣鴨のお茶屋さん山年園は、巣鴨とげぬき地蔵通り門前仲見世にあり、60年余りの間、参拝のお客様にご愛顧頂いている茶舗「山年園」です。健康茶、健康食品、日本茶、巣鴨の情報などをメインに、皆様のお役に立てる耳寄り情報をまとめています。

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