毎日の食卓に欠かせない白米。しかし糖質やカロリーを気にして食べる量を減らす方もいますよね。
「ダイエット中だけどしっかり食べたい」「少量で満腹感を得たい」、そんな方におすすめなのが「もち麦」です。
今回は、白米に混ぜるだけでおいしく体にも優しい「もち麦」の魅力をご紹介します。
もち麦とは?
「もち麦」は大麦の一種です。大麦はイネ科の植物で、ビールや麦茶の原料にもなります。
大麦には粘りが少ない「粳 (うるち) 性」と粘りが強い「糯 (もち) 性」があり、もち麦は後者にあたります。
もち性のもち麦は、大麦全体でみても食物繊維の含有量が高いです。
でんぷんに加え「アミロペクチン」という粘りが強い成分を含んでおり、もちもちとした弾力のある食感が特徴です。
もち麦の種類
もち麦含め、大麦は2種類に分けられます。小花が2列に並んでついているのが「二条(にじょう)大麦」で、6列に並んでいるのが「六条(ろくじょう)大麦」です。
基本的に二条大麦のほうが粒が大きく、六条大麦は粒が小さくなります。
もち麦と押し麦の違い
もち麦に似ているものに「押し麦(おしむぎ)」があります。もち麦とは大麦の種類が違います。
うるち性の大麦からできたのが押し麦です。食感はプチプチとしており、あまり弾力はありません。
蒸したものをローラーで押しつぶして製造するため、一粒一粒が平らで薄い形状をしています。
もち麦と丸麦の違い
丸麦は大麦の外皮を取り除いたあとに、「糊粉層(こんふそう)」と呼ばれる細胞層を削ったものを言います。
「丸麦(まるむぎ)」も、押し麦と同じくうるち性の大麦から作られます。
押し麦のようにローラーで押しつぶしていないので、丸くコロンとした形状です。
熱処理をしないため、大麦本来の香ばしい味わいをより感じられます。
もち麦に含まれる栄養成分
もち麦にはさまざまな栄養が豊富に含まれています。いくつかご紹介します。
β-グルカン(食物繊維)
特筆すべき栄養成分は、「β(ベータ)- グルカン」という水溶性食物繊維です。
精米した白米の食物繊維は、100gあたり約0.5gと少なめです。しかし、もち麦にはβ-グルカンをはじめとする食物繊維が100gあたり約9.6gと、白米の20倍ほどの食物繊維が含まれています。
ごぼうでも約5.7g、玄米で3.0gなので、もち麦にいかに食物繊維が多く含まれているかわかります。
ミネラル
もち麦はミネラルも豊富です。マグネシウムや鉄、亜鉛などの必須ミネラルは人間の体内では生成できないため、食べ物や飲み物から摂取する必要があります。もち麦はこれらの必須ミネラルもバランス良く含んでいます。
精米した白米に含まれる鉄0.8mgに対しもち麦は3.3mg、白米の亜鉛1.4mgに対してもち麦は4.0mg。マグネシウムにいたっては、白米23mgに対してもち麦は210mgと、10倍近くも含んでいます。
たんぱく質
たんぱく質は、血液や臓器や筋肉など、身体を構成するうえで不可欠な要素です。
もち麦はたんぱく質も多く含んでいます。含有量は白米の約4倍です。白米100gのたんぱく質は2.5gですが、もち麦100gには10.6gも含まれているといわれています。
もち麦の副作用
もち麦は食物繊維を豊富に含んでいるので、一度に大量に摂取するとお腹がゆるくなることがあります。
さらに小麦アレルギーの方も要注意です。
もち麦の原料は大麦ですが、大麦にも小麦と似た分子構造のたんぱく質が含まれています。
これにより、小麦アレルギーをもつ方のなかには大麦でもアレルギー反応が出てしまう方もいます。
妊婦の方は、もち麦を食べてもOKです。ただし授乳中の方は注意が必要です。
もち麦など雑穀類を過剰摂取すると母乳が出すぎて詰まってしまい、乳腺炎になってしまう可能性があります。摂取量には注意しましょう。
もち麦の味と匂いは?酸味がある?
もち麦は弾力があるので、食べるときによく咀嚼するようになります。
じっくり噛むことで、大麦本来の自然な甘みをほんのりと感じられます。そこまで風味や香りが強くないため、白米に混ぜても味の邪魔をせずおいしく食べられます。カレーなど味の濃い料理にもぴったりです。
ちなみに大麦やもち麦にはリンゴ酸などの酸が含まれています。よって、もち麦を食べると少し酸味を感じる方もいるようです。
気になる方は、もち麦を蒸す前にしっかり浸水させておくと、酸味がやわらぐのでお試しください。
もち麦の正しい保存方法
ここでは、もち麦の正しい保存方法をご紹介します。
日持ちはする?もち麦の保存期間について
基本的には密封して常温の冷暗所に置いておけばOKです。常温保存で1ヶ月を目安においしく食べられます。
長期保存したい方や、大量にもち麦を入手した方は、冷蔵庫での保管がおすすめです。冷蔵保存なら3ヶ月は持つと言われています。
他の穀物同様、もち麦は周りのにおい成分を吸着しやすい性質があります。冷蔵庫の中に入れるときは、密閉容器や二重袋などに入れましょう。
もち麦の基本的な食べ方
もち麦は加熱して食べるのが基本です。茹でるのも蒸すのもOKですが、もち麦独自のもちもちとした食感を味わうには、蒸すほうがおすすめです。
もち麦の蒸し方について
まず、乾燥もち麦を流水でサッと洗い、深さのあるボールや鍋などに入れます。
そこに常温水をたっぷり入れてもち麦を浸し、そのまま1~3時間ほど置いておきます。
乾燥もち麦は、蒸されると約2倍の量になるので、それを考慮した量を入れておきましょう。
浸水が終わったら水気を切って、もち麦を濡れ布巾で包んで蒸し器の中に入れます。蒸し器にふたをして20分ほど蒸せばできあがりです。長時間蒸しすぎると、もち麦が硬くなってしまうので気を付けましょう。
ちなみに鍋でゆでる方法もあります。鍋にもち麦とたっぷりの水を入れて15~20分ゆでるだけでOKです。
また、茹でるともち麦にぬめりが出ます。ゆで終わったもち麦はざるに上げて、サッと水にさらしてぬめりを取りましょう。
もち麦の浸水時間はどのくらい?
浸水時間は常温で1~3時間ほどが目安ですが、一晩おいてもOKです。白米と比べると、時間をかけて水分を吸収する傾向にあります。
しっかりと浸水させることで芯まで水分を吸収し、もっちりとした食感になります。
もち麦の使い方・レシピ
もち麦は、白米に混ぜて炊くのはもちろん、ほかにもさまざまな料理に応用できます。もち麦を買ったらぜひ試してみたいレシピを5つご紹介します。
リゾット
フライパンにオリーブオイルを熱し、みじん切りにした玉ねぎ、にんじん、ベーコンなどお好みの具材を炒めます。白ワインを少し入れると香りづけになります。
具材がしんなりしてきたら、もち麦(2人分なら100g)と水1カップを入れ、フライパンにふたをして15分ほど蒸しながら炊きます。
もち麦がほどよい硬さになったら、豆乳100ccを入れて煮たたせます。最後に、お好みでチーズと塩こしょうを入れたら、もち麦の豆乳リゾットの完成です。
クッキー
プチプチ楽しい食感はクッキーにもおすすめです。
たっぷりの水で15~20分ほどもち麦を茹でてやわらかくします。あとは小麦粉やバター、砂糖など通常のクッキーを作る要領で混ぜ、そこに茹でたもち麦も追加します。
あとは、オーブンでこんがり焼けば、おいしいもち麦クッキーの完成です。
お好みでオートミールやはちみつ、きな粉や砕いたくるみ・アーモンドなどを入れてもおいしくなります。
ミネストローネ
もち麦の食感はスープにもマッチします。
にんじんやセロリ、じゃがいも、たまねぎ、キャベツ、ベーコンなどお好みの具材を細かくみじん切りにし、トマトソース、コンソメの素、水と一緒に鍋で煮ます。
煮たってきたらもち麦をお好みの量入れて10分ほど煮ます。
野菜も食物繊維もたっぷり摂れる、体に優しいミネストローネができます。
チャーハン
ダイエット中や食物繊維が不足している方におすすめなのが、もち麦チャーハンです。
お皿に茹でたもち麦と溶き卵を混ぜ、塩・こしょうで味付けします。そのままラップをかけずに600Wの電子レンジで2分ほど加熱します。
2分経ったらお皿をいったん取り出し、みじん切りにした長ネギやベーコン、チャーシューなどお好みの具材を混ぜて、再度、電子レンジで1分ほど加熱すればOKです。
もち麦だと、油分も少ないので、パラパラでヘルシーなチャーハンに仕上がります。
サラダ
サラダを盛り付けたあと、蒸したもち麦をお好みの量のせて混ぜるだけです。
もしくは野菜を細かくサイコロ状に細かく刻んで、蒸したもち麦も加えてよく混ぜれば、食べやすく見た目もきれいなチョップドサラダになります。
しゃきしゃきの生野菜ともちもちしたもち麦の食感が合わさって、食べるのが楽しいサラダになります。
もち麦に関するよくあるQ&A
最後に、もち麦に関してよくある質問をご紹介します。
もち麦の目安摂取量について
一日の食物繊維の目安摂取量は、男性で21g以上、女性で18g以上と言われています。
食べ過ぎると、おなかがゆるくなることがあるので、一日50gほどを目安に摂取しましょう。
もち麦は生で食べることができる?
もち麦は基本的に加熱してから食べます。
加熱するのが面倒な方には、蒸したり茹でたりしてある加工もち麦も販売されています。
もち麦が変色したけど、食べられる?
もち麦は変色しても食べられます。
炊飯器で炊いたあとしばらく保温しておくと、茶色っぽく変色することがありますが、これは、大麦に含まれるポリフェノールが熱されて変色しているためです。
食べてもまったく問題はありませんが、見た目が気になるようであれば、保温せずに小分けにして冷凍保存しましょう。
山年園が提供するもち麦について
いかがでしたか。
当社山年園でもオリジナルのもち麦を販売しております。
100%岡山県産の減農薬栽培されたもち麦「キラリモチ」。もち麦なのに変色しづらく、白米と一緒に炊くと見た目も白く美しいもち麦ごはんが楽しめます。
もちもちと粘りのある食感は、食事の時間をより楽しくしてくれます。
白米と混ぜるほかにも、さまざまな料理にも使えるもち麦を、ぜひご家庭でもお試しください。
商品名 | もち麦 キラリモチ |
商品区分 | 食品 |
内容量 | 500g |
原材料名 | もち麦(国産) |
使用上の注意 | 必ず調理加熱してお召し上がりください。 |
保存方法 | 高温・多湿・直射日光を避け常温で保存 |
販売事業者名 | 有限会社山年園 〒170-0002 東京都豊島区巣鴨3-34-1 |
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