夏が近づくとスーパーやコンビニでもよく目にする水出し緑茶。
普段からお茶に親しんでいる方でも、水出し緑茶と普通のお茶の違いを知らない方は多いかもしれません。
お湯で煮出す普通の緑茶と比べると、水出し緑茶は低温でじっくり出すため、テアニン(アミノ酸)やビタミンCを壊さず、カフェインの抽出量を抑えることができます。
今回は、この水出し茶の魅力とおすすめの美味しい作り方についてご紹介します。
水出し緑茶とは?
水出し緑茶とは、その名の通り「水で抽出した緑茶」のことです。
基本的に、お茶は100℃近くの熱湯で抽出しますが、「水出し緑茶」は冷水または常温の水で抽出します。
普通の緑茶との違い
両者の違いは、使う水の温度だけではありません。
抽出される成分の濃度も微妙に異なり、味わいも変化します。
水出し緑茶はお湯で淹れた緑茶よりも甘みや旨味が強く、まろやかでスッキリとした味わいが特徴です。
わたしたちが苦味や渋みとして感じる「カテキン」は高温でないと抽出されませんが、旨味成分であるテアニン(アミノ酸)は低温でも抽出されます。
普通の緑茶に比べると、カフェインの量も少ないため、寝る前でも安心して飲めます。
また、ビタミンCは熱に弱く水に溶けやすいという性質を持っているため、水出しの場合なら、熱湯で煮出したお茶よりも「ビタミンC」を豊富に摂取することができです。
【水出し緑茶の日持ち】なるべく早めに飲み切る
水出し緑茶はまとめて作って冷蔵庫で保存する方法が一般的です。
低温なので、雑菌が繁殖したり味が劣化したりする可能性は低いですが、なるべく速く飲み切りましょう。
水出し緑茶(冷茶)の作り方
水出し緑茶は自宅で簡単に作れます。
今回紹介するのは以下の3つの方法です。
2. 茶こし付きのボトルでまとめて作る
3. 一人分をサクッと急須で作る
それぞれの作り方を詳しく説明していきます。
水出し緑茶の作り方1.冷水ポットで作る
お茶用ポットや空いたペットボトルなどに
●水(15℃以下)1L
●水出し用の茶葉 10g
を目安に入れます。
材料を入れたら、フタをして後は冷蔵庫で6時間以上冷やすだけ。
寝る前に仕込んでおけば、朝から手作りの水出し緑茶を楽しめます。
飲むときに茶葉をこすのが面倒だという場合には、茶葉をお茶パックに入れましょう。
水出し緑茶の作り方2.茶こし付きのボトルで作る
水出し緑茶や水出しコーヒー用に人気なのが「ハリオのフィルターインボトル」です。
注ぎ口にフィルターがついているので、勝手に茶葉がこされて、作るのも片付けもラクです。
空いたペットボトルに装着できる茶こしも売られているので、自分の好みに合ったものを選んでみましょう。
茶こし付きのボトルで作る場合も、
● 水(15℃以下)1L
● 茶葉 10g
以上の基本的な分量は変わりません。
お好みに合わせて茶葉の量を変えたり、抽出時間を変えたりしてみてください。
水出し緑茶の作り方3.一人分を急須と茶こしで作る
「1リットルも飲み切れない」という人は、一杯ずつ淹れましょう。
急須に、
●氷水 100ml
●茶葉 10g
を入れ、5分ほど待ちます。
時間をかけるほどに旨味成分が抽出されていくので、できれば30分~1時間くらいは待ちたいところです。
後はグラスや湯のみに注ぐだけ。
同じ急須で3杯分くらいはとれるので「気が向いたときにサクッと作って飲みたい」という場合におすすめです。
急須がなければ、底が深めのティーストレーナーが便利です。
ハリオからはティーストレーナーとガラスマグがセットになったもの(ワンカップティーメーカー)が出ているので、お好みで選んでみましょう。
水出し緑茶をより美味しくする方法
最後に、水出し緑茶をさらに美味しくする方法をご紹介します。
その方法は以下の2つです。
● 水出し用の茶葉を使う
● 水は軟水で、浄水器を通したものかミネラルウォーター、湯冷まし
これらのポイントを抑えれば、誰が作っても美味しい水出し緑茶になります。
水出し用の茶葉を使う
水出し緑茶を作るときは「水出し用」の茶葉を使うことをオススメします。
水出し用の茶葉は普通の茶葉とは違い、細かく砕かれて成分が抽出されやすいように作られています。
使う水に関する注意点
水出し緑茶を作るときに使う水は、低温(15℃以下)の軟水で、
● 浄水器を通したもの
● ミネラルウォーター
いずれかを使用しましょう。
繊細な日本料理には軟水がベストなように、軟水は食材が持つ成分を最大限に引き出してくれます。
そのため、お湯で淹れる緑茶も水出し緑茶も、軟水で淹れるのがベターです。
ちなみに、日本の水道水は軟水なのでそのまま使って問題ありません。もし、カルキが気になるようでれば水道水を一度沸かして冷ましたものを使いましょう。
まとめ
今回は、これからの暖かい時期に飲みたい「水出し緑茶」の作り方について詳しく説明しました。
温かい緑茶もいいですが、水で淹れると味わいや抽出される成分が変わるため、目的や気分に応じて飲み分けてもいいですね。
家にある材料と道具だけで簡単に作れるので、ぜひ試してみてください。
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