お茶の雑学雑学

口切り(くちきり)の茶事とは何か?意味や流れも【茶人の正月】

口切り 口切お茶の雑学

茶道では、年間を通してさまざまな行事があります。そのなかでも、「茶人の正月」といわれる11月に行われるのが「口切りの茶事」という行事です。この「口切り」とは一体何なのでしょうか?

今回は茶道にとって大切な、「口切り(くちきり)」を解説します。

茶道において、口切り(くちきり)とはどういう意味?

口切り 意味

「口切り(くちきり)」とは茶道の行事の1つで、茶壺の封を切って中の茶葉を取り出すことです。

流れとしては、まずその年の4月~5月頃に収穫された新茶の茶葉を、陶器の茶壷の中に入れます。

茶葉をそのまま茶壺に入れたものは詰茶(つめちゃ)と言い、比較的安価な茶葉です。高価な茶葉は、別途紙の袋に詰めてから、詰茶の間に入れます。茶葉を入れて茶壷にしっかり封をしたら、数ヶ月間冷暗所で保管します。

夏から冬にかけて、茶壷の中の茶葉は次第に熟成していき、風味を増していきます。そして11月の立冬(りっとう)の頃になると、ついに茶壷の封を切って茶葉を取り出します。取り出した茶葉は茶臼(ちゃうす)で挽いて、抹茶にしていただきます。

茶壷の封を切って抹茶をいただく一連の流れは「口切りの茶事(ちゃじ)」とよばれます。口切りの茶事は「茶人の正月(またはお茶の正月)」ともよばれ、茶道にとって、新しい季節の始まりを祝うおめでたい行事です。口切りは冬の季語にもなっており、俳句でも使われます。

口切りの茶事について

口切りの茶事

前述のとおり、茶壷の封を開ける口切りを行うことを、「口切りの茶事」とよびます。口切りの茶事に招かれることは茶人として栄誉ともいわれるほど、茶道において大切な行事です。

口切りの茶事について、ポイントごとに詳しく解説します。

口切りの茶事の時期はいつ?

口切りの茶事を行う時期は、毎年立冬の頃です。立冬は毎年11月7日~11月20日頃になります。立冬は暦の上では冬の始まりとなり、通常はこの頃からグッと空気が冷え込み、本格的に冬が深まってきます。

ちょうど立冬に合わせて行われる茶道の行事が、「炉開き(ろびらき)」です。口切りの茶事も、炉開きに合わせて行われます。

炉開きとは、その冬に初めて炉(ろ)を開いて茶事を行うこと。炉とは、上に茶釜を置いてお湯を沸かす茶道具です。茶室の畳の一部をくり抜いて設置されており、約40cm四方の小さな囲炉裏です。

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口切りの茶事で使う道具

口切りの茶事では、普段の茶の湯では使わない特別な道具もいくつか使います。主な道具は下記の3つです。

・葉茶漏斗(じょうご)
・茶臼(ちゃうす)
・茶ふるい箱

葉茶漏斗(じょうご)は、角ばった木製のトレーのような道具です。口切りをして茶葉を取り出す際に、まず葉茶漏斗の上に適量の茶葉をあけます。

茶臼(ちゃうす)は、茶葉を挽いて抹茶にするための専用の臼(うす)です。茶臼の中央の穴に茶葉を入れ、竹でできた取っ手をつかんでゆっくり回すと、茶葉がすり潰されて細かい粉状になります。

茶ふるい箱は、茶臼で粉末状に挽いた抹茶を、さらに細かい粒子にするための「ふるい」です。長方形の箱型や茶筒型、棗形(なつめがた)などいくつか種類があります。

例えば長方形の茶ふるい箱の中には、金網を張った掛子(かけご)という平たい箱が納められています。金網の上に茶臼で挽いた抹茶を乗せ、箱にふたをして動かします。そうすると、細かな抹茶の粉が金網の下に溜まっていく仕組みです。

口切りの茶事の流れ

口切りの茶事の当日の流れを簡単に解説します。茶道の流派によっては、下記と少し異なる部分もあるかもしれません。

  1. 1.お客様に白湯を出し、外腰掛で待ってもらう
  2. 2.亭主のお迎えを受けて席入りする
  3. 3.正客(茶会における最上位の客)から順に床の間を拝見する
  4. 4.床の間に飾られた茶壷を見る(茶壷に網がかかっていなければ拝見しても良いという意味)
  5. 5.全員が座に定まったら亭主が茶室に入り、挨拶する
  6. 6.挨拶が終わると正客から茶壷の拝見が所望される
  7. 7.茶壷の封を開けて、壺の中にある茶葉と御茶入日記を取り出す
  8. 8.茶葉を茶臼で挽いてから茶ふるい箱で細かくして抹茶にする
  9. 9.できあがった抹茶を点てて、お客様に出す

茶壷の口は、口覆(くちおおい)という美しい模様の布と、その下にさらに和紙で封されています。茶壷の封を開ける際は、口覆を止めている紐をとって口覆を外し、口覆の下にある和紙を小刀を使って切り開いていきます。

茶壺の中には、前述のとおり詰茶と、紙袋に入った高級なお茶が一緒に入っており、前者は薄茶(うすちゃ)に、後者は濃茶(こいちゃ)になります。

また「御茶入日記(おんちゃいりにっき)」という紙も茶壺の中に同封されており、茶壺に入っている茶葉や茶師などについて記されています。

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山年園で販売している抹茶について

口切りの茶事でいただく抹茶は、茶壷の中でじっくり熟成された深い味わいを感じられ、格別です。

山年園では、普段ご自宅でも気軽にお飲みいただける抹茶を揃えています。濃厚な甘さの抹茶は、抹茶として点てて飲むのはもちろん、ケーキ、クッキーなどのお菓子や、てんぷらの衣などお料理にも使えます。

【高級抹茶】抹茶 粉末 朝比奈

抹茶 朝比奈
商品名抹茶 朝比奈
商品区分食品・飲料
内容量【1袋あたりの内容量】
100g
原材料名緑茶(抹茶)
原産地日本産
静岡県朝比奈村
使用方法お茶、ケーキ、お菓子作りなど、様々な用途で扱えます。
少量でも抹茶の風味・香りが強いので、少しづつ使用することをおススメします。
使用上の注意開封後はお早めに召し上がりください。
保存方法常温保管してください。高温多湿、直射日光は避けて保管してください。
賞味期限製造日より約8ヶ月
販売事業者名有限会社山年園
〒170-0002
東京都豊島区巣鴨3-34-1
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【高級宇治抹茶】抹茶 粉末 雲竜

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商品名抹茶 雲竜
商品区分食品・飲料
内容量【1缶あたりの内容量】
40g
原材料名緑茶(抹茶)
原産地日本産
京都府宇治市
使用方法お茶、ケーキ、お菓子作りなど、様々な用途で扱えます。
少量でも抹茶の風味・香りが強いので、少しづつ使用することをおススメします。
使用上の注意開封後はお早めに召し上がりください。
保存方法常温保管してください。高温多湿、直射日光は避けて保管してください。
賞味期限製造日より約8ヶ月
販売事業者名有限会社山年園
〒170-0002
東京都豊島区巣鴨3-34-1
店長の一言老舗のお茶屋が自信を持ってオススメする最高級な宇治のお抹茶です(^-^)

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塩原大輝(しおばらたいき)
有限会社山年園 代表取締役です。巣鴨のお茶屋さん山年園は、巣鴨とげぬき地蔵通り門前仲見世にあり、60年余りの間、参拝のお客様にご愛顧頂いている茶舗「山年園」です。健康茶、健康食品、日本茶、巣鴨の情報などをメインに、皆様のお役に立てる耳寄り情報をまとめています。
このコラムを書いた人
塩原大輝(しおばらたいき)

有限会社山年園 代表取締役です。巣鴨のお茶屋さん山年園は、巣鴨とげぬき地蔵通り門前仲見世にあり、60年余りの間、参拝のお客様にご愛顧頂いている茶舗「山年園」です。健康茶、健康食品、日本茶、巣鴨の情報などをメインに、皆様のお役に立てる耳寄り情報をまとめています。

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