お茶の雑学雑学

喫茶養生記(きっさようじょうき)とは?栄西が書いたお茶の専門書

喫茶養生記お茶の雑学

お茶は、古くから人々の暮らしを支えてきた飲み物です。その歴史を語るうえで欠かせない書物が、鎌倉時代の禅僧・栄西(えいさい)によって記された「喫茶養生記(きっさようじょうき)」。

本書は、日本におけるお茶文化の始まりを示す貴重な資料であり、茶の効能や飲み方について詳しく述べられています。本記事では、「喫茶養生記」の内容や栄西の功績を紐解きながら、日本におけるお茶の歴史について詳しく解説します。

喫茶養生記(きっさようじょうき)とは?

喫茶養生記 現代語訳

喫茶養生記とは、日本の臨済宗の開祖である栄西が著した日本最古といわれる茶書(ちゃしょ)です。読み方は「きっさようじょうき」。本書は、日本における茶文化の発展に大きな影響を与え、茶道の精神的基盤を築くきっかけになったとされています。また、茶の薬理効果や健康促進の側面を詳細に記述しており、当時の人々の健康意識の向上にも寄与したと考えられます。

喫茶養生記の作者:栄西(栄西禅師)について

栄西 喫茶養生記

喫茶養生記の著者は栄西(栄西禅師)という臨済宗の禅宗です。読み方は「えいさい」もしくは「ようさい」です。

栄西は平安時代から鎌倉時代にかけて活躍した禅僧で、京都最古の禅寺・建仁寺(けんにんじ)を開山したことでも知られている臨済宗の開祖です。

栄西は禅の教えを学ぶために、中国・宗に渡って現地で禅文化を学びました。宗の禅では、お茶を飲むことを非常に大切にしていました。皆で集まって一緒にお茶を飲む茶礼(されい)や、お茶の製法や淹れ方、効果効能といった禅のお茶文化を学びました。深い感銘を受けた栄西は、禅の教えとともにお茶文化も日本に持ち帰ったのです。

栄西(栄西禅師)とは?喫茶養生記を書いた茶祖【お茶にまつわる人物】
日本独自の茶の湯文化の礎を築いたのは、鎌倉時代の禅僧・栄西(えいさい)禅師といわれています。中国・宋から茶の種子を持ち帰り、日本に喫茶の習慣を広めた栄西は、単なる文化の伝播者ではなく、茶の効能を説き、健康や精神修養にも役立つものとして広めま ...

栄西と源実朝について

源実朝(みなもとのさねとも)は、鎌倉幕府の将軍です。鎌倉時代の歴史書「吾妻鏡(あづまかがみ)」には、二日酔いによる体調不良で苦しんでいた日に、源実朝が栄西からもらったお茶を飲んだところ、たちまち回復したと記されています。さらに栄西は、このとき源実朝にお茶と一緒に喫茶養生記も献上したといわれています。

喫茶養生記(きっさようじょうき)の内容

喫茶養生記 原文

喫茶養生記には、栄西が宗で学んだお茶の知識がふんだんに詰まっています。上・下巻に分かれており、上巻は『五臓和合門』、下巻は『遣除鬼魅門』と名付けられています。

上巻である『五臓和合門』では、五臓(ごぞう)の調子を健やかに保つためにお茶が効くという内容が書かれています。五臓とは、「肝・心・脾(ひ)・肺・腎」を表し、漢方医学において大切にされている考え方です。

「肝」は肝臓、「心」は心臓のように単に臓器を表しているのではなく、「肝」なら肝臓と自律神経系や血液の貯蔵などを指します。この五臓がそれぞれバランスの良い状態にあることが健康とされているのです。例えば、お茶の苦味が心臓に良い、のような内容が五臓和合門に書かれています。

下巻の『遣除鬼魅門』では、飲水病(現在の糖尿病)や食欲不振など5つの病を挙げ、これらの病はすべて鬼魅(きみ)とよばれる妖怪や化け物のせいだと記されています。そこでお茶や桑(くわ)を使った治療法を説いています。

もともと宗では、お茶は嗜好品ではなく体調を整えたり病気から快復させたりするための薬のような立ち位置でした。そのため、喫茶養生記にはお茶の栽培方法や加工方法だけでなく、効果効能なども記されています。

喫茶養生記の「茶は養生の仙薬なり」とは

喫茶養生記の冒頭の有名な一節に下記の言葉があります。

「茶は養生の仙薬なり。延齢の妙術なり。」(原文)

これを現代語訳すると、「お茶は健康を維持するための素晴らしい薬であり、長生きするための秘訣でもある」という意味になります。仙薬(せんやく)とは、飲むことで不老不死の仙人になれるとされる薬を指します。この概念は中国の道教や伝統医学に由来します。

山年園で販売している抹茶について

栄西が日本に持ち帰り広めたお茶の文化は、今日に至るまで根付いています。数あるお茶(日本茶)のなかでも、特に栄西の弟子から広まって人気を博したのが抹茶。

山年園で取り扱っているオリジナルの抹茶は、それぞれ茶葉本来の甘みやまろやかな飲み口が自慢の一品。抹茶と聞くと敷居の高さを感じる方もいるかもしれませんが、意外と手軽に飲むことができます。ぜひご自宅で美味しい抹茶を楽しんでみてください。

朝比奈 抹茶

抹茶 朝比奈
商品名抹茶 朝比奈
商品区分食品・飲料
内容量【1袋あたりの内容量】
100g
原材料名緑茶(抹茶)
原産地日本産
静岡県朝比奈村
使用方法お茶、ケーキ、お菓子作りなど、様々な用途で扱えます。
少量でも抹茶の風味・香りが強いので、少しづつ使用することをおススメします。
使用上の注意開封後はお早めに召し上がりください。
保存方法常温保管してください。高温多湿、直射日光は避けて保管してください。
賞味期限製造日より約8ヶ月
販売事業者名有限会社山年園
〒170-0002
東京都豊島区巣鴨3-34-1
店長の一言老舗のお茶屋が自信を持ってオススメする高級な朝比奈のお抹茶です(^-^)

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塩原大輝(しおばらたいき)
有限会社山年園 代表取締役です。巣鴨のお茶屋さん山年園は、巣鴨とげぬき地蔵通り門前仲見世にあり、60年余りの間、参拝のお客様にご愛顧頂いている茶舗「山年園」です。健康茶、健康食品、日本茶、巣鴨の情報などをメインに、皆様のお役に立てる耳寄り情報をまとめています。
このコラムを書いた人
塩原大輝(しおばらたいき)

有限会社山年園 代表取締役です。巣鴨のお茶屋さん山年園は、巣鴨とげぬき地蔵通り門前仲見世にあり、60年余りの間、参拝のお客様にご愛顧頂いている茶舗「山年園」です。健康茶、健康食品、日本茶、巣鴨の情報などをメインに、皆様のお役に立てる耳寄り情報をまとめています。

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