お茶の産地日本茶雑学

霧島茶の特徴とは|日本一にも輝いた鹿児島茶の1つ【お茶の種類】

霧島茶お茶の産地

温暖な気候の鹿児島県では、県内各地でお茶の生産が盛んです。そのなかの1つの霧島市では、その名のとおり霧深い気候を活かして、美味しいお茶が作られています。

本記事では、霧島市で作られる「霧島茶」をご紹介します。

霧島茶とは?

霧島茶 とは

霧島茶とは、鹿児島茶の1つで、鹿児島県の霧島市周辺で作られているお茶です。

霧島市は高千穂峰(たかちほのみね)をはじめとした霧島連山という火山群に面しています。山々と鹿児島湾に囲まれた霧島市は、年間を通して温暖多雨な気候で、農作物の育成に適しています。

さらに山々の標高差は朝晩の激しい寒暖差や豊かな霧を生み、その霧によって味わい深い霧島茶が育まれるのです。

霧島茶はさまざまな日本一を獲得している?

霧島茶は、その品質の高さから、何度も賞を獲得しています。

全国のお茶の生産者がお茶の出来栄えを競う全国茶品評会では、2010年から2020年の10年間で、計7回も産地賞を受賞しています。特に2017年から2019年の間は3年連続での受賞です。

さらに、有機JAS認証茶園面積も日本一を誇ります。

有機JASマークは、農薬や化学肥料といった化学物質に頼らず、自然な方法で栽培・生産された食品などに付けられます。

霧島茶の新茶の時期について

霧島茶が作られる鹿児島県は、国内のお茶の産地のなかでも最南端に位置します。温暖な気候で春の訪れも早いため、国内でもっとも新茶が早く出まわります。

霧島茶も、全国的にみて新茶の時期が早めです。その年の気候やお茶の品種にもよりますが、4月中旬頃から新茶の収穫が始まることが多いです。

ちなみに、新茶のなかでも1番早く出る新茶は、走り新茶(はしりしんちゃ)とよばれます。新芽のみを使うため甘みや旨みが強いのが特徴です。

「走り新茶」と「大走り新茶」とは?1年でもっとも早く楽しめる希少な新茶
新茶は甘くフレッシュな香りを楽しめて人気ですが、新茶のなかでも特に早い時期に収穫される「走り新茶」をご存じですか?「走り」の名のとおり、他の新茶に先駆けて収穫される新茶です。本記事では、「走り新茶」について解説します。 走り新茶とは? ...

鹿児島茶(かごしま茶)について

鹿児島県 霧島茶

前述のとおり、霧島茶は鹿児島茶の1つです。鹿児島茶とは、鹿児島県内で作られるお茶の総称です。

鹿児島県は、静岡県、三重県と並ぶ日本茶の三大産地の1つにも数えられています。農林水産省のデータでみると、2023年の荒茶生産量(一番茶)の全国2位が鹿児島県で、年間8,440トンにもなります。

参照:令和5年産一番茶の摘採面積、生葉収穫量及び荒茶生産量(主産県):農林水産省

同じ鹿児島県のなかでも、お茶の生産地によってそれぞれの地域のお茶ブランドがあります。今回ご紹介している霧島市の霧島茶のほかにも、

・知覧茶(頴娃茶・川辺茶):南九州市の頴娃町・知覧町・川辺町
・屋久島茶:屋久島
・日置茶:日置市
・枕崎茶:枕崎市

などさまざまな鹿児島茶があり、それぞれ味や香りなど特徴が異なります。鹿児島茶について、詳しくは下記の関連記事もぜひご覧ください。

鹿児島茶(かごしま茶)の特徴と種類について【あさつゆ・さえみどり】
鹿児島県は、年間を通して温暖な気候で降水量が多く、桜島など雄大な自然も魅力です。その恵まれた気候や地形から、お茶の一大産地になっています。 本記事では、鹿児島県で作られるお茶、鹿児島茶(かごしま茶)について解説します。 鹿児島茶(か ...

霧島茶と知覧茶の違い

鹿児島茶のなかでも、特に有名なのが知覧茶(ちらんちゃ)です。

霧島茶は霧島市で作られていますが、知覧茶の産地は南九州市の頴娃町(えいちょう)・知覧町・川辺町あたりです。もともとはそれぞれの町名をとって知覧茶・頴娃茶(えいちゃ)・川辺茶(かわのべちゃ)という鹿児島茶でしたが、2017年に知覧茶に統一されました。

霧島茶と知覧茶の大きな違いは、茶葉を蒸す時間です。霧島茶は浅蒸し茶が主流です。茶葉を短時間サッと蒸すだけなので、清涼感と程良い渋みを感じられます。

一方の知覧茶は、深蒸し茶が多いです。深蒸し茶は茶葉を長めにじっくり蒸すので、甘くまろやかな味わいになります。

知覧茶の特徴とは?値段や入れ方について【深蒸し茶で有名なブランド茶】
京都の宇治茶や福岡の八女茶、静岡の静岡茶などと並ぶ代表的な日本茶である知覧茶。 知覧茶は鹿児島県を代表するお茶であり、市町村単位では日本1位の生産量を誇ります。 今回は、そんな知覧茶の概要や味の特徴についてご紹介します。 知覧 ...

霧島茶の特徴

霧島茶 特徴

霧島茶の特徴をいくつか解説します。

浅蒸し茶が主流

前述のとおり、霧島茶は浅蒸し茶が主流です。浅蒸し茶とは、通常のお茶よりも茶葉の蒸し時間を短くして作られるお茶のこと。通常のお茶の蒸し時間は30秒~1分ほどですが、浅蒸し茶では10~30秒ほどしか蒸しません。

短時間だけ蒸すことで、茶葉は細く尖った形状になり、お茶の水色は金色っぽい黄緑色になります。

浅蒸し茶の特徴|入れ方や深蒸し茶との違いについて
日本茶(煎茶)には、浅蒸し茶と深蒸し茶があるのを知っていますか? 茶葉の味と香りを左右する蒸し時間の長さによって、同じ茶葉でも香りや風味がガラッと変わります。 今回はすっきりとした渋みと清涼感が魅力の浅蒸し茶をご紹介します。 ...

クセがなくさわやかな味わい

浅蒸し茶である霧島茶は、ほんのり渋みがある味わいで、さわやかな香りも感じられます。味や香りにクセがないので、飲みやすいお茶といえるでしょう。特に新茶は、若い芽ならではのフレッシュな味わいを楽しめます。

まろやかな甘みと旨み

霧島市は、高い山々があるため標高差があります。標高差は朝晩の気温差を大きくし、その結果深い霧が出ます。

霧は茶葉をベールのように覆い、直射日光に当たるのを防ぎ、茶葉内に多くのテアニンを蓄えます。甘みや旨み成分であるテアニンは、茶葉が日光に当たることで渋み成分のカテキンに変化します。

そのため、霧に守られテアニンが多くなる霧島茶は、甘くまろやかな味わいになるのです。

霧島茶の美味しい淹れ方

霧島茶 淹れ方

霧島茶を美味しく淹れるポイントはお湯の温度です。浅蒸し茶である霧島茶は、熱湯で淹れると渋みや苦みが出やすくなってしまいます。70度~80度ほどの少しぬるめのお湯で淹れるのがおすすめです。

急須に適量茶葉を入れて、70度~80度ほどのお湯を注ぎ、1分を目安に蒸らします。この間急須をゆらすと渋いお茶になりやすいので、急須を触らずにじっくり待ちましょう。あとは湯呑みに最後の一滴まで注いでお飲みください。二煎目からは、熱湯を注ぎます。

茶葉を水と一緒にポットに入れて、冷蔵庫で一晩寝かせば、冷たい霧島茶にもなります。ホットとはまた違った甘みを感じられるので、ぜひアイスでも楽しんでみてください。

まとめ

霧島市の豊かな霧が育む霧島茶は、すっきりした香りと甘み、渋みのバランスが良く、どなたでも飲みやすい鹿児島茶です。味わい深い霧島茶を、ぜひお試しください。

関連製品はこちら

さえみどり

知覧茶 さえみどり

さえみどりのご購入はこちら

ゆたかみどり

知覧茶 ゆたかみどり
商品名煎茶 知覧
商品区分飲料
内容量【1袋あたりの内容量】
200g
原材料名茶葉
原産地日本産
鹿児島県川辺郡知覧
使用上の注意開封後はお早めに召し上がりください。
保存方法常温保管してください。高温多湿、直射日光は避けて保管してください。
賞味期限製造日より約12ヶ月
販売事業者名有限会社山年園
〒170-0002
東京都豊島区巣鴨3-34-1
店長の一言特攻隊が飛び立った飛行場で有名な知覧町のお茶です。
香りと甘みが強く当店でも非常に人気な日本茶です(^-^)

ゆたかみどりのご購入はこちら

The following two tabs change content below.
塩原大輝(しおばらたいき)
有限会社山年園 代表取締役です。巣鴨のお茶屋さん山年園は、巣鴨とげぬき地蔵通り門前仲見世にあり、60年余りの間、参拝のお客様にご愛顧頂いている茶舗「山年園」です。健康茶、健康食品、日本茶、巣鴨の情報などをメインに、皆様のお役に立てる耳寄り情報をまとめています。
このコラムを書いた人
塩原大輝(しおばらたいき)

有限会社山年園 代表取締役です。巣鴨のお茶屋さん山年園は、巣鴨とげぬき地蔵通り門前仲見世にあり、60年余りの間、参拝のお客様にご愛顧頂いている茶舗「山年園」です。健康茶、健康食品、日本茶、巣鴨の情報などをメインに、皆様のお役に立てる耳寄り情報をまとめています。

フォローする

※当ブログメディアに記載されているものは、特定の効能・効果を保証したり、あるいは否定したりするものではありません。
編集部内で信頼できると判断した一次情報(国家機関のデータや製薬企業等のサイト)を元に情報提供を心がけておりますが、自己の個人的・個別的・具体的な医療上の問題の解決を必要とする場合には、自ら速やかに、医師等の適切な専門家へ相談するか適切な医療機関を受診してください。(詳細は利用規約第3条より)

この記事が気に入ったらいいね!
最新情報をお届け!
CHANOYU
タイトルとURLをコピーしました