さまざまな柑橘類がありますが、なかでも甘酸っぱくジューシーで人気なのが「伊予柑(いよかん)」。
今回は、あらためて伊予柑(いよかん)の魅力や歴史をご紹介します。
伊予柑(いよかん)とは?
伊予柑(いよかん)とは、ミカン科ミカン属の果物です。
100gほどの温州みかん(一般的なみかん)よりも大きく、小さいもので200g、大きいもので280gほどあります。外皮はかなり分厚いですが、やわらかいため手でも簡単に剥けます。
酸味と甘味のバランスが非常に良く、みずみずしいのが特徴です。
伊予柑(いよかん)の由来や起源と歴史
伊予柑は、明治19年、山口県の阿武郡東分村(現萩市)にあった中村正路さんの園で偶然発見されました。親品種は具体的に明らかになっていませんが、オレンジとみかんをかけ合わせたという説があります。
当時は、発見された地名にちなんで「穴門(あなど)みかん」という名前で栽培され、徐々に松山市周辺で生産が盛んとなりました。
さらに時がたち、呼び名は愛媛県の旧国名「伊予の国」から取った「伊予蜜柑」となり広がっていきました。
しかし、名前が温州みかんと混同されやすいことから、昭和5年に「伊予柑」という名前に変更し、今に至ります。
伊予柑(いよかん)と他のみかんの違い【糖度や甘さで比較】
伊予柑と他のみかん類との違いを、糖度や甘さなどを中心に比較します。
伊予柑(いよかん)と甘夏の違い
甘夏(あまなつ)は、伊予柑と比べて外皮が硬く、手では剥きづらいです。
大きさも1玉300~500gほどあり、伊予柑よりも大きめ。
糖度は伊予柑が11~13度、甘夏が10~11度なので、甘夏のほうが酸味が少なくすっきりと甘いですが、やや苦味もあります。
伊予柑(いよかん)とオレンジの違い
オレンジは「バレンシア」と「ネーブル」の2種類があります。
バレンシアオレンジは甘味と酸味のバランスが良く、オレンジジュースによく使われます。
ネーブルオレンジは甘味が強く、ほとんど種がないため食べやすいです。
オレンジの糖度は13度ほどで、伊予柑と同じくらいの甘味があります。
伊予柑(いよかん)とポンカンの違い
ポンカンは外皮だけでなく内皮も薄くやわらかいため、剥かずにそのまま食べることができます。
ポンカンの大きな特徴は甘く芳醇な香り。伊予柑も良い香りがしますが、すっきりとしています。
一方のポンカンは、もっと濃厚な香りです。糖度も15度ほどで柑橘類のなかでも特に甘味が強いとされています。
伊予柑(いよかん)の品種や種類
伊予柑にはいくつか品種があります。
普通伊予柑
一般的な伊予柑です。他の伊予柑よりも酸味が強いのが特徴です。
宮内伊予柑(宮内いよかん)
1955年に、松山市平田町にある宮内義正さんの営む農園で発見された品種です。
愛媛県で生産される伊予柑のほとんどが宮内伊予柑です。種が少なく果実もしっかりしており、贈答品にもよく使われているようです。
大谷伊予柑
大谷伊予柑は、1972年に愛媛県吉田町(現:宇和島市)にある大谷政幸さんの農園で発見されました。果実の色は濃いめです。酸味が少なく甘味が強いため、お子様にもおすすめの品種です。
伊予柑(いよかん)の栄養成分
伊予柑には豊富な栄養素がふんだんに含まれています。ここでは、代表的な栄養成分をいくつか解説します。
ビタミンC
伊予柑は他の柑橘類と同じく、ビタミンCが豊富に含まれています。伊予柑100gあたりにビタミンCは35mg含まれています。
ペクチン(食物繊維)
ペクチンは柑橘類やりんご、バナナなどに多く含まれる食物繊維です。
伊予柑含む柑橘類の薄皮にはペクチンが多く含まれています。ペクチンに糖類と酸を混ぜて加熱すると、ドロッとしたジェル状になります。このジェル化を利用してジャムが作られます。
葉酸
伊予柑100gあたりに19μgの葉酸が含まれています。葉酸は、特に妊娠前や妊娠中の女性が積極的に摂取したいビタミンです。
シネフィリン(シネフリン)
伊予柑にはシネフィリン(シネフリン)という成分も含まれています。
シネフィリンは主に柑橘類に含まれており、ビタミンCと一緒に摂取すると良いといわれています。
クエン酸
クエン酸は、伊予柑をはじめとした柑橘類や梅干しなどに含まれる酸味成分です。
エネルギー産生やミネラル吸収、疲労回復のために欠かせません。
伊予柑(いよかん)に副作用はある?
伊予柑に大きな副作用は報告されていないようです。
ただし、「カルシウム拮抗薬」という降圧剤を飲んでいる方は、薬の効果が強まってしまう可能性があるため、伊予柑の摂取量には十分注意してください。
伊予柑(いよかん)の味の特徴は?
伊予柑を食べた方の感想を、Xよりいくつか抜粋してご紹介します。
甘いだけより、伊予柑のように酸味とほのかな苦味が良いという方もいるし、味覚の好みも千差万別。食べやすさ(剥きやすい、種の有無…)でも変わるだろうし、品質一緒でも食べるタイミングで味の変化があったりするし、奥深い
— ブレです (@tubu357ra) May 14, 2023
今後、ゆるんだミカンには気を付けます💦
伊予柑は、味も濃いし、甘いおいしいですよね😊— たぬ屋 (@tanuyamatanuya) April 11, 2023
すると、愛媛の気候・風土に合っていたため、愛媛県内の農家に広まり、山口生まれのこの果物が伊予の特産になったわけです🤔
「いよかん」は果汁がジューシーで甘く、香りもよく、皮はウンシュウミカンに比べ厚めだが、手でむくこともできます👍いよかんたべていいよかん😆
なんちゃって…。— ははうち (@yamachan3245) December 5, 2023
いよかん🍊生まれて初めて食べました。
こんなに大きいとはビックリ💦甘すぎず、ジューシーで素朴な味。とても好きな味でした~
昨年真穴みかんを食べて舌が肥えていた夫も、みかんより好きな味だそう🥰 pic.twitter.com/CC4JzwkVzM
— aimi@高知移住アウトドアライター🚲 (@aiaiminini) March 25, 2023
コメントや感想をみると、伊予柑はジューシーで甘味と酸味のバランスが程よく食べやすいと感じる方が多いようですね。
伊予柑(いよかん)の美味しい食べ方・アレンジ方法
伊予柑の美味しい食べ方と、アレンジ方法をご紹介します。
伊予柑(いよかん)の食べ方
伊予柑の外皮が剥きづらいときは、ヘタ部分にナイフで少し切り込みを入れると剥きやすくなります。
内皮はやや厚めなので、剥いて食べましょう。伊予柑の果肉は果汁たっぷりでやわらかいため、内皮を剥くと果汁が滴って手が濡れます。下にお皿を置いて内皮を剥き、終わったら手を洗いましょう。
伊予柑(いよかん)のアレンジ方法
伊予柑は甘酸っぱくジューシーなので、そのまま食べるだけではなく、ジュースやゼリー、マーマレードにするのも良いです。
他にも内皮を剥いた果実をそのままサラダに混ぜても、程良い酸味が生野菜とマッチしておすすめですよ。
伊予柑(いよかん)でよくある質問について
最後に、伊予柑に関してよくある質問とその回答をまとめました。
美味しい伊予柑(いよかん)の選び方は?
美味しい伊予柑を選び方のポイントの1つがヘタです。
ヘタが小さいものは、水分が凝縮して美味しい果実が詰まっている可能性が高いです。
また、ずっしりと重く外皮にハリがあるものも美味しい伊予柑の選び方の1つとして有効です。ぜひ試してみてください。
伊予柑(いよかん)の主な産地はどこ?
国内でもっとも多く伊予柑を生産しているのは愛媛県です。
前述のとおり、愛媛県で生産する伊予柑のほとんどが宮内伊予柑です。
伊予柑(いよかん)の旬の季節と収穫時期について
伊予柑の旬は1月~2月です。3月や4月まで旬の品種もあります。
収穫時期は12月ごろからで、収穫したあと1ヶ月ほど貯蔵されてから市場に流通します。収穫してしばらく置いた伊予柑は、甘さが増して美味しくなります。早いものだと11月から収穫されることもあるようです。
伊予柑(いよかん)の保存方法は?
伊予柑の保存は冷蔵庫の野菜室がおすすめです。伊予柑の乾燥を防ぐため、新聞紙やラップで一つひとつ包んで保湿するとベターです。またヘタを下に向けて野菜室に入れておくことで、より鮮度を保てます。
寒い時期なら、通気口を開けて風通しを良くしたダンボールに入れて、ベランダなど屋外に置いておくのでもOKです。
伊予柑(いよかん)のカロリーや糖質はどのくらい?
伊予柑のカロリーは、100gあたり50キロカロリーとそこまで高くありません。糖質量は100gあたり10.7gです。
山年園で販売する伊予柑(いよかん)の商品について
山年園では、伊予柑を食べやすくスティック状にした「伊予柑スティック」を販売中。
国産の伊予柑を、風味を損なわないようにじっくりと乾燥させ、ドライフルーツにしました。伊予柑のみずみずしい風味や栄養成分がギュッと凝縮されています。
そのままおやつに食べるのはもちろん、紅茶やヨーグルトにトッピングに入れるのもおすすめ。ぜひご家庭でご賞味ください。
商品名 | 伊予柑 加工品 |
商品区分 | 食品 |
内容量 | 100g |
原材料名 | 伊予柑皮(国産)、砂糖、酸味料(クエン酸)、酸化防止剤(V.C) |
保存方法 | 高温・多湿・直射日光を避け常温で保存 |
販売事業者名 | 有限会社山年園 〒170-0002 東京都豊島区巣鴨3-34-1 |
製造事業者名 | 愛媛果汁食品株式会社 愛媛県新居浜市善光寺町1-11-9 |
店長の一言 | 国産の伊予柑を、独特の甘い香りをそこなわないようにじっくりと丁寧に炊き上げた「伊予柑スティック」を是非ご賞味ください(^-^)/ |
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