伊勢茶は、宇治茶や掛川茶、狭山茶と比較すると知名度はやや低いものの、日本第三位の生産量を誇る有数のお茶の産地です。
また、チャノキが日本に伝わった800年からわずか100年後の900年にはお茶の栽培が始まっていたとされ、歴史的にも古いお茶です。
本記事では、伊勢茶の魅力や歴史について詳しく解説します。
伊勢茶とは?
伊勢茶は、旧伊勢国(三重県)で作られるお茶の総称です。現在では、四日市市水沢地区、松阪市、度会町、大台町、鈴鹿市、亀山市、菰野町といった地域で主に生産されています。
伊勢茶は、2007年に地域ブランドとして商標登録がされており、伊勢茶の名前を使用するためには以下の厳格な基準をクリアする必要があります。
生産条件 | 流通条件 |
・三重県内で生産された緑茶 ・天然自然の茶であること ・農薬使用基準、施肥基準に準拠して栽培生産されたお茶で、生産履歴が明らかなお茶 | ・100%三重県内で生産されたお茶であること ・天然自然のお茶 ・JAS法、食品衛生法等を遵守した表示が行われ、生産加工の履歴が明らかなお茶であること |
<参照:特許庁の地域団体商標認定登録に伴う「伊勢茶商標」使用の取り扱いについて|三重県茶業会議所役員会>
伊勢茶は緑茶生産において、栽培面積・生産量・生産額において、静岡、鹿児島に次ぎ、第三位ですが、抹茶スイーツなどの加工用原料として使われているため、あまり一般的には知られていません。また、かぶせ茶の有数の産地で、全国の70%のシェアを占めます。
伊勢茶の歴史
伊勢茶の歴史は、平安時代初期〜中期に始まったとされています。
記録によれば、805年に最澄がチャノキを持ち帰ったわずか100年後の900年(延喜)には、四日市市水沢町の浄林寺の住職が空海からの教えの元、「冠山茶の木原」にチャノキを植えたのが始まりとされています。
その後、室町時代には朝廷への献上品とされ、江戸時代には御師や伊勢商人によって、徐々に一般家庭にも普及していき、やがて全国に広がりました。
伊勢茶の値段相場と生産量について
平成30年時点での三重県の茶栽培面積は、約2,880ヘクタールです。
ピークは明治25年の、約4,419ヘクタール。
平成30年には、約30,200トンの茶葉が収穫されています。
茶の消費量や栽培面積が減少する中、生産量はほぼ横ばいです。
三重県は茶製造の近代化・機械化に積極的で、日本茶を安定的に生産しています。
伊勢茶の価格は、大手通販サイトにて100gあたり500円~2,000円程度が相場です。
伊勢茶の新茶の時期は?
伊勢茶は、4月下旬から5月中旬に新茶の時期を迎えます。
店頭には5月から6月にかけて並ぶのが一般的ですが、年度によって異なるので要注意です。
新茶を逃さず楽しむには、茶園やお茶屋さんのホームページを確認するとよいでしょう。
伊勢茶の特徴
伊勢茶の種類【かぶせ茶・深蒸し茶・煎茶】
伊勢茶の種類は、大きく煎茶・かぶせ茶・深蒸し茶の3種類に分かれます。
また、三重県の水沢地区は、新芽の時期に日光を遮断した葉から作られるかぶせ茶の生産量で日本一位を誇ります。
かぶせ茶は、苦味や渋味が抑えられ、茶の甘さと濃い水色が特徴です。
飲料や菓子の加工に使われる「もが茶」の生産も、全国一位となっています。
伊勢茶の味について
伊勢茶は、コクのある濃い味わいが特徴のお茶です。
恵まれた土地で育った茶葉は肉厚で、しっかりした味と水色が出ます。
茶品評会でも高く評価されており、農林水産大臣賞や三重県知事賞を受賞した経験も。
濃厚な味わいと水色は、飲料や菓子との相性もいいです。
今日は伊勢茶🍵を淹れました。
伊勢.度会町の中森製茶さんの特上煎茶です!
色も味も濃いのが特徴の伊勢茶🍵
やぶきたの一番茶、旨味も渋みもバランス良く上品な味わいです!
3煎目も色・味まだまだ良いです✨ pic.twitter.com/DuhyRt7DVd— Saryu’s Tea (@saryu_ocha) February 3, 2019
緑茶。新茶 伊勢茶by中森製茶。三重県のお茶を急冷式アイスティーにしました。
冷たい口あたりから爽やかな風味と共に旨味・甘味が広がり、その後に心地よい軽やかな渋味が残る、スッキリしたお茶です(^_^)#茶好連 pic.twitter.com/olYbVyhMR8— みやくん (@63hm63) May 12, 2020
今日は伊勢茶🍵を淹れました。
伊勢.度会町の中森製茶さんの特上煎茶です!
色も味も濃いのが特徴の伊勢茶🍵
やぶきたの一番茶、旨味も渋みもバランス良く上品な味わいです!
3煎目も色・味まだまだ良いです✨ pic.twitter.com/DuhyRt7DVd— saryu ~茶流~ (@saryu_ocha) February 3, 2019
伊勢茶の美味しい入れ方
伊勢茶を美味しく入れるには、次の分量を目安にしてみてください。
・お湯の量・・・1人分あたり60~90ml
・茶葉の量・・・2~3人分あたり6~9g、5人分で10g
水道水は4~5分ほど沸騰させ、カルキを抜きます。温めた急須に茶葉とお湯を入れ、30秒ほど蒸らします。人数分の茶碗に回し注ぎし、最後の一滴まで注ぎきったら完成です。
茶葉の量や蒸らし時間は、お好みで調節してみてください。
まとめ
本記事では、伊勢茶について詳しく紹介しました。
三重県のブランド茶である伊勢茶は、コクのある味わいと濃い水色が特徴です。
アイスクリームなどの原料に使われることも多く、意外と身近な存在。
水出しにすると甘みがより引き立つので、ぜひ試してみてくださいね。
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