茶道を習う楽しみのひとつに、どのような茶道具を選んで使うかがあります。一口に茶道具といっても、用途ごとにさまざまな種類の道具があり、なかには見慣れないものや用途がわからないものもあるかもしれません。
本記事では、茶道具の種類を解説します。
茶道具とは?
茶道具とは、茶道に使われる道具すべてを指します。読み方は「ちゃどうぐ」です。
抹茶や煎茶などのお茶の種類に関わらず、茶道に使用する道具はすべて茶道具になります。また同じ茶道でも、表千家(おもてせんけ)・裏千家(うらせんけ)など流派によって使う茶道具も異なります。
茶道の流派の違いについては、下記の関連記事もチェックしてください。
![](https://www.e-cha.co.jp/contents/wp-content/uploads/2024/05/29238362_s-320x180.jpg)
茶道具の種類一覧
茶道具にはいくつもの種類がありますが、茶道をしていないとその名前はなかなか聞き慣れないもの。ここでは茶道具のなかでも、特に有名なものをいくつかピックアップしてご紹介します。
棗(なつめ)
棗とは、抹茶を入れておく蓋付きの器です。コロンとしたフォルムがナツメの実に似ていることから、この名が付いたといわれています。同じ棗でも、大きさや形状、塗りなどさまざまな種類があります。
水差し・水指(みずさし)
水を入れておくための器です。水差し(水指)にきれいな水を入れておき、その水を使ってお湯の温度を調整したり、茶碗や茶筅(ちゃせん)を洗ったりします。水差しの素材も、金属や陶器、磁器、塗り物などさまざまあり、他の茶道具との組み合わせや季節などによって変えます。
棚
茶道で使う棚には主に2種類あり、亭主が座る点前座(てまえざ)に置く棚と、茶室の壁に設けられた「仕付棚(しつけだな)」があります。さらにそれぞれの棚に、大きさや形状の違いがあります。
茶碗(ちゃわん)
茶碗は、抹茶をいただく際に使う器です。茶碗は、数ある茶道具のなかでも、客が直接手に取って使う時間が長い品です。季節などによってどの茶碗を選ぶかは、亭主から客への大切なおもてなしといえるでしょう。
茶碗の形や産地、焼き物の種類もさまざまあり、焼き物の種類の一例としては、楽焼(らくやき)や萩焼(はぎやき)などがあります。
さらに濃茶と薄茶で使える茶碗は異なります。濃茶で使う茶碗は格式高いものが好まれ、前述の楽焼や萩焼の茶碗などを使用します。また、濃茶で使う茶碗には絵柄がないことがほとんどです。
反対に薄茶はカジュアルで格に厳しくないので、絵柄が入った茶碗を使います。季節に合わせたモチーフの絵柄の茶碗がおすすめです。
茶釜(ちゃがま)
茶釜は、お茶を淹れる際に使うお湯を沸かす道具です。茶釜がないとお湯が沸かせずお茶も淹れられないので、数ある茶道具のなかでも特に重要な道具といえます。素材は鉄製がほとんどです。
茶釜には「炉釜(ろがま)」と「風炉釜(ふろがま)」という2種類の釜があり、5~10月には風炉釜、11~4月には炉釜と、季節によって使い分けます。
茶箱(ちゃばこ)
茶箱とは、抹茶を点てるための道具一式を納めた箱です。20cmほどの長方形の箱で、最低限必要な茶道具を持ち運ぶのに使います。この茶箱を使う点前、「茶箱点前(ちゃばこてまえ)」も人気があります。
柄杓(ひしゃく)
柄杓は、湯水を汲むための茶道具です。竹でできています。
柄杓は茶道の流派によって多くの種類がありますが、大きく分けると、風炉用・炉用・差通し(さしとおし)の3種類です。風炉用は暖かい季節に使い、合(ごう)とよばれる柄杓の先の湯水を入れる部分が小さめです。一方の炉用は寒い時期に使い、風炉用よりも合が大きめで、たっぷりの湯水を汲めるように作られています。
建水(けんすい)
建水は、使い終えたお湯や水を入れておく茶道具です。茶碗を温める際に使われたお湯を、この建水の中に捨てます。湯水を捨てるという使い方から、「こぼし」「湯こぼし」とよばれることも。素材は金属のほか、竹や陶器・磁器などがあり、どれも捨てた水を溜めておけるようにある程度の深さがある形状です。
香合(こうごう)
香合とは、香(こう)を入れておく蓋つきの小さな器です。茶席では、まず手前(てまえ)の前に、風炉や炉に炭を注ぎ足す「炭点前(すみてまえ)」をすることがあります。炭手前のときに、「炭斗(すみとり)」というカゴのような容器に香合を入れて茶席に持ち込み、熱された炭の温度によって良い香りを室内に漂わせます。
風炉(ふろ)と炉(ろ)
風炉も炉も、上に茶釜を置いてお湯を沸かす道具です。風炉は、火鉢のように場所を移動できる道具です。5~10月にはこの風炉が使われます。炉は、茶室の畳の一部をくり抜いて設置された、約40cm四方の正方形の小さな囲炉裏です。11~4月の寒い時期に使われます。
袱紗(ふくさ)
袱紗は、茶釜の蓋を取ったり、茶道具を清めたりする際に使う布です。「服紗」「帛紗」と書くこともあります。大きさは約28cm四方が多いです。
色にも違いがあり、基本的に男性は紫の袱紗を使いますが、女性は裏千家だと赤、表千家や武者小路千家だと朱色の袱紗を使います。
蓋置(ふたおき)
蓋置は、茶釜の熱い蓋を置いておくための道具です。柄杓を立てかけるのにも使います。素材は竹や陶器・磁器などで作られており、竹製のものは「引切(ひききり)」とよばれます。
茶道具のセット一式、「皆具(かいぐ)」とは
茶道における「皆具(かいぐ)」とは、上記で紹介したものも含めた茶道具のうち、以下の4点の道具が一式揃ったセットのことです。
・水指(水差し)
・杓立(しゃくたて)
・建水
・蓋置
杓立とは、柄杓を立てておくための茶道具です。皆具は、台子(だいす)や長板(ながいた)に飾るために用いられます。台子も長板も棚物の一種で、上に茶道具を置けるようになっています。
茶道具はどこで買う?
本記事で紹介した茶道具たちは、茶道具専門店の実店舗やインターネット販売で購入できます。茶道具専門店だけではなく、お茶屋さんで販売していることもあります。
特に茶道具専門店なら、各茶道具の取り扱いの種類も多く、さまざまな品を比較して選べることも。また、茶道の入門セットとして、最低限必要な茶道具だけを集めてセット販売していることもあります。
同じ茶道具でも、形状や素材の違いを比べながら、ぜひお気に入りの一品を見つけてみてください。
山年園で販売している茶道具について
山年園でも「茶筅(ちゃせん)」を販売中。
一つひとつ丁寧に作られたこの茶筅は、見た目が美しいのはもちろん、手になじみきれいにお茶を点てられるように設計されています。伝統工芸品を使って点てるお茶の時間は、きっと格別なものになるでしょう。
「百本立」の茶筅
商品名 | 茶筅 百本立 |
商品区分 | 茶道具 |
販売事業者名 | 有限会社山年園 〒170-0002 東京都豊島区巣鴨3-34-1 |
店長の一言 | 老舗のお茶屋が実店舗でも愛用している茶筅です。 ご自宅用、ギフト用、どちらにも最適です(^-^) |
その他の茶筅 | ■茶筅 百本立 3,200円はコチラ ■茶筅 野立用 2,900円はコチラ ※全て、税込・送料無料! |
![塩原大輝(しおばらたいき)](http://www.e-cha.co.jp/contents/wp-content/uploads/2020/12/shiobara-150x150.jpg)
![塩原大輝(しおばらたいき)](http://www.e-cha.co.jp/contents/wp-content/uploads/2020/12/shiobara-150x150.jpg)
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