高い山々と美しい水に恵まれた長野県では、冷涼な気候を活かして様々な種類の美味しい野菜が作られています。そのなかでも、夏から秋にかけてよく食べられているのが「ぼたんこしょう(牡丹胡椒)」という野菜です。
本記事では、ぼたんこしょう(牡丹胡椒)の特徴や、美味しいレシピを解説します。
ぼたんこしょう(牡丹胡椒)とは?
ぼたんこしょう(牡丹胡椒)とは、ナス科トウガラシ属の野菜です。見た目はピーマンにそっくりですが、よく見るとピーマンよりも深い溝があり、凸凹がある形状をしています。
先端からこの凹凸を見ると、牡丹(ぼたん)の花のように見えることから、「ぼたんこしょう」の名前がつきました。「ぼたごしょう」とよばれることも。
ぼたんこしょうの実は肉厚で、食感はやわらかいです。また実の部分は甘く、種周辺には辛みがあるので、甘さのなかにピリッとした辛い刺激を楽しめます。
ぼたんこしょう(牡丹胡椒)の産地
ぼたんこしょうは、長野県中野市永江地区を中心に栽培されており、信州の伝統野菜としても有名です。
通常トウガラシ属の野菜は温暖な気候を好みますが、ぼたんこしょうは冷涼な気候で育つ特徴があります。中野市永江地区も標高が高いエリアです。
ぼたんこしょう(牡丹胡椒)とピーマンの違い
ぼたんこしょうは一見ピーマンに似ていますが、よく見ると形状に違いがあります。
ぼたんこしょうはゴツゴツとした凹凸があって丸みを帯びていますが、ピーマンは凹凸がなくツルッとしていて、細長い形状です。
またピーマンは温暖な場所で育ちますが、ぼたんこしょうは気温が低く涼しい場所で育ちます。
味にも違いがあります。ピーマンに辛みはありませんが、ぼたんこしょうは種が付いている白い芯の部分に辛みがあります。
ぼたんこしょう(牡丹胡椒)と、かぐらなんばん(神楽南蛮)の違い
ぼたんこしょうに似た野菜に、かぐらなんばん(神楽南蛮)があります。かぐらなんばんは、新潟県の中越地方を中心に栽培されているトウガラシです。
かぐらなんばんも、ぼたんこしょうに似て見た目はゴツゴツとしたピーマンのようです。肉厚で、さわやかな辛みがある点もぼたんこしょうに似ています。遺伝的にみても、ぼたんこしょうとかぐらなんばんは親戚同士とされています。
ぼたんこしょう(牡丹胡椒)のレシピ・食べ方
肉厚で、辛みと甘みのバランスが良いぼたんこしょうは、いろいろな料理に使えます。ぼたんこしょうを使ったおすすめのレシピをいくつかご紹介します。
ぼたんこしょうで料理を作る際には素手で触らず手袋を着けて扱ってください。またぼたんこしょうを触った手で目や顔など触れないよう十分にご注意ください。また、辛みが気になる方は種部分を取り除きましょう。
ぼたんこしょうの味噌
ぼたんこしょうの種を取り除き、実をみじん切りにします。
油をひいたフライパンでしんなりするまで炒め、そこに味噌・砂糖・みりん・酒を合わせたものを加えて煮詰めます。味噌と砂糖は同量くらいでOK。完成したぼたんこしょう味噌は、白いごはんや焼きナスに乗せると絶品です。
ぼたんこしょうの醤油漬け
ぼたんこしょうを3cmほど角切りにしたあと、ごま油をひいたフライパンで炒めます。炒めてしんなりしたら保存容器に移し、めんつゆと醤油を同量ほど入れてぼたんこしょうを浸します。めんつゆは濃縮タイプをそのまま入れてOKです。粗熱が取れたら保存容器ごと冷蔵庫に入れて、一晩置けば完成です。
ぼたんこしょう炒め
油をひいたフライパンに、豚肉、お好みの野菜、カットしたぼたんこしょうの順に入れてよく炒めます。豚肉と野菜に火が通ってしんなりしてきたら、味噌・みりん・砂糖・醤油を入れてよく絡めます。豚肉は豚小間でもひき肉でもOK。ナスやキャベツ、もやしなどお好みの野菜でどうぞ。
ぼたんこしょうの「やたら」
「やたら」とは長野県など信州の郷土料理で、刻んだ野菜を合わせたふりかけのような食べ物です。
ぼたんこしょう、みょうが、ナス、オクラなどの夏野菜をみじん切りにしたら、ボウルでよく混ぜ合わせます。さらに、みじん切りにした大根の味噌漬けを入れて混ぜ、全体の汁気を切れば完成です。熱々の白いごはんに乗せて食べましょう。
ぼたんこしょうの佃煮
鍋にみりん・醤油・酒を同量ずつ入れて半分にカットしたぼたんこしょうを入れます。グツグツ煮詰めれば佃煮の完成です。
ぼたんこしょうの肉詰め
ぼたんこしょうを半分にカットし、種を取り除きます。そこに、豚ひき肉(または合いびき肉)とみじん切りにした玉ねぎ、パン粉、牛乳、片栗粉、ケチャップ、中濃ソース、醤油を混ぜたタネを詰め、フライパンに並べて焼きます。
油はひかずに、ぼたんこしょうを下にして焼きましょう。フライパンに蓋をして、中火~弱火で15分ほど蒸し焼きにします。お好みでとろけるチーズをかけても美味しいですよ。
これらのレシピの他にも、なめ茸や天ぷら、パスタなどに入れても美味しく食べられます。ぜひお好みの方法でぼたんこしょうを楽しんでみてください。
ぼたんこしょう(牡丹胡椒)でよくある質問
最後に、ぼたんこしょうに関してよくある質問と回答をご紹介します。
ぼたんこしょう(牡丹胡椒)は辛い?辛くない?
ぼたんこしょうには辛みがあります。
辛みが強いのは実部分ではなく、種が付いている白い芯部分です。ぼたんこしょうを調理するときは、素手で扱うと手がヒリヒリすることがあります。必ずビニール手袋などを着用し、素手でぼたんこしょうを触らないように気を付けてください。
ぼたんこしょう(牡丹胡椒)の時期はいつ?
ぼたんこしょうの旬の時期は、7月中旬から10月下旬頃です。ちょうど真夏から秋にかけて旬を迎えます。ちなみに収穫を遅らせたぼたんこしょうは、緑色から鮮やかな赤色に変化します。
ぼたんこしょう(牡丹胡椒)の種は食べる?実は生で食べられる?
ぼたんこしょうの種は食べられます。また、実については生でも食べられます。ただし、種周辺の部分がとても辛いため、辛いものが苦手な方は種周辺を食べないよう気を付けてください。
ぼたんこしょう(牡丹胡椒)の保存方法は?
ぼたんこしょうの保存は、冷蔵庫の野菜室でOKです。1個ずつキッチンペーパーで包み、ビニール袋に入れてから野菜室にしまうのがおすすめです。
ぼたんこしょう(牡丹胡椒)にはどんな栄養成分が含まれている?
ぼたんこしょうはトウガラシの一種なので、辛み成分のカプサイシンを含んでいます。
他にもビタミンA、ビタミンCなどビタミン類も豊富です。また、うま味成分として知られるグルタミン酸も多く含まれています。
山年園で販売しているぼたんこしょう(牡丹胡椒)について
ぼたんこしょうは、本記事でご紹介したようにさまざまな料理で楽しめます。辛みと甘みの絶妙なバランスは、一度食べるとクセになるかもしれません。
ちなみに、山年園でもオリジナルのぼたんこしょうに関する製品を販売しています。
「ぼたん胡椒なめ茸」は、長野県産のえのき茸と野沢菜にぼたんこしょうを加えた味わい深い一品。
白いごはんのお供にはもちろん、パスタやうどん、ハンバーグ、パンなどに乗せても美味しく食べられます。
ぼたん胡椒なめ茸
商品名 | 惣菜 |
商品区分 | 食品 |
内容量 | 170g |
原材料名 | えのき茸、醤油、糖類(ぶどう糖加糖液糖、砂糖)、ぼたんこしょう、発酵調味料、魚介抽出液、デキストリン、食塩、カツオエキス、昆布エキス、調味料(アミノ酸等)、酸味料、増粘剤(グァーカム)、(原材料の一部に小麦、大豆、豚肉、さばを含む) |
保存方法 | 直射日光を避けて常温にて保存して下さい。 |
販売事業者名 | 有限会社山年園 〒170-0002 東京都豊島区巣鴨3-34-1 |
製造事業者名 | 新進漬物(株) 長野県下高井郡木島平村大字穂高3603-1 |
店長の一言 | 信州のえのき茸使用 エノキタケ 榎 パスタ・ピザの具 ご飯のおかず・お茶漬けなどに「ぼたん胡椒なめ茸」を是非御賞味ください(^-^)/ |
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