私たちが普段飲む煎茶の茶葉をよく見ると、大きさがほぼ均一なことがわかります。これは、煎茶の製造工程のなかで茶葉の大きさを選別しているためです。
製造時に出るサイズが大きい茶葉のことを「頭茶（あたまちゃ）」と呼びます。形が大きいため、市場にはほとんど出回らないため、店頭で見たことがない人も多いかもしれません。
本記事では、頭茶（あたまちゃ）の概要や特徴について解説します。
頭茶（あたまちゃ）とは？
頭茶とは、お茶の製造工程で分けられた大きく硬めの茶葉を指します。読み方は「あたまちゃ」。
煎茶を作るときには、摘んだ茶葉をまず荒茶（あらちゃ）に加工して長期保存できるようにしてから仕上げ加工を行います。荒茶は仕上げ茶にする段階で、茶葉の大きさによって分けられます。分けられた茶葉のなかでも、特に大きく硬めの茶葉を頭茶とよびます。
頭茶のように、荒茶から分別されたお茶の副産物、もしくはその副産物から作られるお茶は出物（でもの）とよばれます。
頭茶（あたまちゃ）の用途
頭茶は、あまり味が抽出されないため、コクが少なくあっさりとした味わいになります。
そのため頭茶だけではなく他のお茶に混ぜられて販売されるのが一般的です。
質が良い上級の頭茶だと、小さくカットされて煎茶に混ぜられることがあります。一方で頭茶の中級品になると、小さくカットしてからほうじ茶や番茶など比較的安価なお茶に混ぜられることが多いようです。
頭茶（あたまちゃ）と頭・頭柳（あたまやなぎ）の違い
荒茶を分別した残った大きな茶葉を、「頭（あたま）」や「頭柳（あたまやなぎ）」とよぶこともあります。頭・頭柳のどちらも、頭茶と同じ意味です。
頭茶の葉が大きく平べったい形状をしていて柳の葉に似ていることから、この名がついたといわれています。
頭茶（あたまちゃ）と荒茶（あらちゃ）の違い
荒茶から茎や粉、小さい茶葉などを分別し、残った大きめの茶葉が頭茶です。
そもそも荒茶とは、摘んだ生の茶葉を熱処理して乾燥させ、長期保存できるようにしたものを指します。よって、茶葉の大きさもバラバラで、茎や粉も混ざった状態になります。
荒茶のままでも飲めますが、茶産地以外ではあまり流通していません。仕上げ加工して煎茶などにしてから販売するのが一般的です。
お茶の出物（でもの）の種類について
荒茶のなかには、大きな茶葉や小さい茶葉、茎、粉などが混在しており、適切なサイズの茶葉は煎茶などに、それ以外の出物は種類ごとに分けられて販売されます。頭茶以外の出物の種類について紹介します。
粉茶（こなちゃ）
製造中に篩（ふるい）などで選別された細かい茶葉のことを指します。
粉茶は煎茶に比べて安く販売されることがほとんどですが、味が特別劣るわけではなく、十分に美味しく飲めます。ちなみに、粉茶と似ているものに粉末茶があります。
粉末茶は、茶葉を一度お茶として抽出したあと、添加物などを入れて乾燥させたものをいいます。湯呑みに入れてお湯を直接注げば飲める、いわばインスタントティーです。
茎茶（くきちゃ）
茎茶は、茶葉の製造過程で選別される茎や葉柄の部分を利用したお茶のことを指します。
茶葉を摘み取る際に、新茶（一番茶）では葉のみを摘み取りますが、二番茶や三番茶では茎部分から葉を摘み取ります。そのため、新茶よりあとに作られる荒茶には、どうしても茎が混ざるのです。
甘み成分のテアニンが茎部分にも含まれているため、飲みやすい味わいです。茎特有のさわやかな香りも楽しめます。ちなみに茎茶の呼称は、地方によって違いがあります。
・雁金／雁が音（かりがね）
・白折（しらおれ）
上記はすべて茎茶のことです。
芽茶（めちゃ）
芽茶（めちゃ）は、荒茶からチャノキの芽部分だけを分けたお茶です。
芽の部分には栄養成分がギュッと詰まっており、カフェインも多く含まれます。よって、芽茶は苦みや渋み、さらに甘みや旨みも強く濃厚な味わいです。風味が強いため、甘い和菓子などにもよく合います。
荒茶を仕上げ茶にする仕上げ加工
頭茶などは、仕上げ加工で出る副産物です。ここでは、荒茶を仕上げ茶に加工するフローを解説します。
ちなみに、後述の「分別」と「火入れ」は逆になるケースもあります。火入れしてから分別をするのは「先火方式」、分別から火入れを行うのは「後火方式」とよばれます。
フロー1：分別
まずは荒茶から、仕上げ茶（煎茶）となる茶葉やそれ以外の出物を分別します。
荒茶を専用のふるいにかけて、茶葉や粉、茎などを分けて大きさや重さごとに茶葉を分別していきます。このときに、ふるいに残る大きな茶葉が頭茶です。
フロー2：火入れ
出物を除いた茶葉に火入れを行います。
火入れとは、茶葉を焙煎すること。火の強さや加熱時間など火入れの具合によって、茶葉本来の味や香り、水色の美しさなどが大きく変わります。まさに茶師（ちゃし）の腕の見せどころといえるでしょう。
フロー3：冷却
火入れを行った茶葉は、広げて置いておくなどして十分に冷まします。
フロー4：ブレンド（合組）
冷却した茶葉は、最後に合組（ごうぐみ）という工程に移されます。
合組とはブレンドのこと。お茶は農作物なので、生産地やその年の気候条件などによってどうしても品質や生産量に差がでます。そこでいくつかの茶葉をブレンドすることで、生産量を担保しながらより美味しい仕上がり茶を販売できるのです。
例えば、苦みが強い茶葉に他の甘みが強い茶葉をブレンドしたり、香りが強い茶葉に香りが弱い茶葉をブレンドしたりすることで、異なる茶葉同士がお互いの欠点を補完し合い、結果的に美味しいお茶になります。
合組は、合組機（ごうぐみき）とよばれる専用の機械で行います。合組機には回転式のドラムが付いており、複数種類の茶葉をしっかりと混ぜます。
山年園で販売しているほうじ茶について
今回ご紹介した頭茶はほうじ茶に混ぜられることが多いです。当社ではオリジナルのほうじ茶をいくつか展開しています。
「とげぬきほうじ茶」は、茶葉を強火でじっくり焙じ、スモーキーな味わいを引き出したほうじ茶です。「焙烙（ほうろく）ほうじ茶」は、鉄釜で茶葉の表面だけを焙じているので、一般的なほうじ茶よりもお茶本来の深い味わいを楽しめます。ぜひお試しください！
とげぬきほうじ茶
| 商品名 | とげぬきほうじ茶 ティーパック |
| 商品区分 | 食品・飲料 |
| 内容量 | 3g×15パック |
| 原材料名 | 緑茶 |
| 原産地 | 静岡県産 |
| 使用方法 | 本品をマグカップに1袋入れ、熱湯を注ぎます。 お茶が浸出するまで待ちます。 お好みの濃さになりましたら袋を取り出してください。 |
| 使用上の注意 | 開封後はお早めに召し上がりください。 |
| 保存方法 | 常温保管してください。高温多湿、直射日光は避けて保管してください。 |
| 賞味期限 | 製造日より約12ヶ月 |
| 販売事業者名 | 有限会社山年園 〒170-0002 東京都豊島区巣鴨3-34-1 |
| 店長の一言 | 当店のとげぬきほうじ茶ティーパックは、山年園だけのオリジナル商品です。 老舗のお茶屋がこだわり抜いたとげぬきほうじ茶を是非ご賞味ください(^-^) |
焙烙ほうじ茶
| 商品名 | 焙烙ほうじ茶 |
| 商品区分 | 飲料 |
| 内容量 | 【1袋あたりの内容量】 100g |
| 原材料名 | 茶葉 |
| 原産地 | 日本産 |
| 使用上の注意 | 開封後はお早めに召し上がりください。 |
| 保存方法 | 常温保管してください。高温多湿、直射日光は避けて保管してください。 |
| 賞味期限 | 製造日より約8ヶ月 |
| 販売事業者名 | 有限会社山年園 〒170-0002 東京都豊島区巣鴨3-34-1 |
| 店長の一言 | 実店舗では、当店のほうじ茶の売り上げの半分以上がこの焙烙ほうじ茶です！！ 一番人気のほうじ茶の味を是非ご賞味ください(^-^) |
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