中国茶

白茶(はくちゃ/ホワイトティー)にカフェインはある?美味しい入れ方も

白茶中国茶

中国茶には、発酵度合いによってさまざまな種類があります。なかでも、ほんの少しだけ発酵させた白茶は、淡い水色とまろやかな甘みが特徴の中国茶です。

本記事では、「白茶(はくちゃ/ホワイトティー)」を解説します。

白茶(はくちゃ/ホワイトティー)とは?

白茶 とは

白茶とは、半発酵茶のなかでも特に発酵度合いが低いお茶です。ほんの少しだけ発酵しているので、「弱発酵茶」や「微発酵茶」ともよばれます。読み方は「はくちゃ」「パイチャ」ですが、英語で「ホワイトティー」とよばれることもあります。

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白いお茶とよばれる理由は、その色にあります。白茶には摘んですぐの新芽が使われ、その芽には毛茸(もうじ)とよばれる白い産毛が残っています。産毛が生えた新芽や茶葉を、揉む工程を行なわずに加工するので、産毛が残ったまま見た目が白っぽい茶葉となります。入れたお茶の水色も白っぽく見えるため、白茶とよばれます。

白茶は中国茶の1つでもあります。主な産地は中国の福建省です。福建省の福鼎(ふくてい)市で作られる「福鼎大白茶」と、福建省の政和県で作られる「政和大白茶」が、主な白茶の品種です。

中国茶の種類について

中国茶は、茶葉の発酵度合いによって、白茶を合わせた6種類に分けられます。発酵度合いが高いものから順に、下記のように分けられます。

・黒茶(くろちゃ)
・紅茶(こうちゃ)
・青茶(あおちゃ)
・黄茶(きちゃ)
・白茶(しろちゃ)
・緑茶(りょくちゃ)

上のほうにある黒茶や紅茶は発酵度合いが高いです。反対に白茶は発酵度合いが低く、1番下の緑茶はまったく発酵されていません。

この6種類の中国茶の種類は「六大茶類」とよばれます。さらにジャスミン茶などの「花茶」を加えて7種類に分類されることも多いです。白茶以外の中国茶については、下記もぜひチェックしてください。

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白茶(はくちゃ/ホワイトティー)と緑茶の違い

白茶と緑茶の大きな違いは、茶葉を発酵する度合いです。白茶は、半発酵茶のなかでもさらに発酵度合いを低くした微発酵茶(弱発酵茶)です。

一方の緑茶は、茶葉をまったく発酵させない不発酵茶(ふはっこうちゃ)です。

お茶の水色も、緑茶は緑色ですが、白茶はその名のとおり薄く白っぽい色です。

お茶の製造工程にも違いがあります。緑茶はまず茶葉の発酵を止める工程がありますが、白茶ではありません。両者の製造工程の違いについて、詳しくは後述します。

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白茶(はくちゃ/ホワイトティー)の種類

白茶 種類

白茶の代表的な種類に、「白毫銀針(はくごうぎんしん)」と「白牡丹(はくぼたん)」「寿眉(じゅび/さうめい/しょうめい)」などがあります。

白毫銀針(はくごうぎんしん)

白毫銀針は、白っぽい茶葉の芯芽である「白亳(はくごう)」を使った白茶です。貴重な芯芽部分だけを使うのが特徴で、白茶のなかでも最高級品といわれています。白亳には前述の毛茸が密集しており、入れたお茶に浮くことでキラキラと白っぽく見えます。白毫銀針はフローラルな甘みと濃厚な味わいを感じられます。

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白牡丹(はくぼたん)

白牡丹は、一芯二葉(いっしんによう)で摘み取られるのが特徴の白茶です。一芯二葉とは、新芽とそのすぐ下の2枚の葉を一緒に摘み取ることです。さわやかな香りと、まろやかな甘みを感じられます。

寿眉(じゅび/さうめい/しょうめい)

寿眉は、白毫銀針で芯芽を摘んだあとの一芯二葉や一芯三葉を使っている白茶です。

ほのかな甘みとフレッシュな香りを感じられ、あっさりとして飲みやすいお茶です。

白茶(はくちゃ/ホワイトティー)の特徴

白茶 作り方

白茶の特徴をいくつか解説します。

作り方・製法がシンプル

白茶の特徴の1つは、シンプルな製造工程です。一般的な緑茶などのお茶と比較すると、下記のような違いがあります。

・一般的なお茶(緑茶など):殺青→揉捻→乾燥
・白茶:萎凋→乾燥

一般的なお茶の製造工程では、殺青(さっせい)と揉捻(じゅうねん)という工程があります。

殺青とは、茶葉を高温で炒ったり蒸したりすることで、これ以上発酵しないように酸化酵素の働きを止めることです。

揉捻とは、茶葉に加圧しながらよく揉むことです。よく揉むことで、茶葉内に残った水分が外に押し出されます。お茶の味や香りを決める重要な工程です。

一方の白茶の製造では、基本的な工程は萎凋(いちょう)と乾燥のみ。殺青と揉捻はありません。萎凋とは、茶葉の中に含まれる水分をしっかり抜き、しおれさせることです。風通しの良い場所に茶葉を広げてしばらく置いておくと、茶葉の水分が抜けてしおれてきます。それとともに酸化酵素が活性化し、「萎凋香(いちょうか)」という花のような甘い香りが生まれます。

茶葉の形がストレート

揉捻を経て作られる緑茶などは、揉まれることで茶葉がギュッと曲がった形になります。しかし白茶は揉まずに作られるので、ストレートな形状の茶葉になるのが特徴です。

とても香りが良い

白茶は香りの良さも大きな特徴です。

前述のとおり萎凋を行い、かつ殺青で熱を加える工程がないので、甘い独特な香りがあります。さらに長期間熟成すると、蜜や花に似た濃厚な甘い香りが生まれます。

白茶(はくちゃ/ホワイトティー)ってどんな味?

白茶 味

白茶と聞いても、味があまり想像できない方もいるかもしれません。Xから、実際に白茶を飲んだ方の味や香りの感想をいくつかご紹介します。

白茶を飲むと、甘くまろやかな味わいを感じる方が多いようです。

クッキーなどのお菓子や、バニラなどに例える方もいますね。渋味や苦味がほとんどなく、優しい甘さを感じられるので、ホッとリラックスしたいときにおすすめです。

白茶(はくちゃ/ホワイトティー)について、よくある質問と回答

白茶 入れ方

最後に、白茶に関してよくある質問と回答をいくつか紹介します。白茶を飲む際に参考にしてください。

白茶(はくちゃ/ホワイトティー)の入れ方(淹れ方)・飲み方は?

白茶は、製品によって適切なお湯の温度や浸出時間などが異なります。

参考までにいくつかのパターンをご紹介します。

基本的に、白茶は少しぬるめのお湯で入れるのがおすすめです。温度の目安は70~80度ほど。お湯を注いだあとの浸出時間も、5~7分を目安にじっくり長めにします。ぬるめのお湯で長めの時間浸出させることで、甘くフルーティーな味わいが引き出されます。

熱湯で入れることも可能です。沸騰したての熱湯を入れ、30秒ほどサッと浸出させて茶碗に注ぎます。最初に注いだ熱湯を10秒ぐらい置いて捨て、再度熱湯を入れる方法もあります。この方法は洗茶(せんちゃ)といい、中国茶ではメジャーな方法です。

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白茶は、水出しでも美味しく飲めます。5gほどの白茶の茶葉を、1リットルほどの水と一緒にポットに入れ、冷蔵庫に入れて一晩置けばOKです。

白茶(はくちゃ/ホワイトティー)にカフェインは含まれている?

白茶には、ほんの少しだけカフェインが含まれていますが、緑茶や紅茶など他のお茶に比べるとかなり少なめです。少なめとはいえ、微量は含まれるので、妊娠中や授乳中の方、カフェインの副作用が気になる方は多量に飲み過ぎないようにしてください。

ちなみにカフェインは新芽部分により多く含まれているので、芽だけを使う白毫銀針は、白茶のなかでもカフェイン含有量が多めといわれています。他にも、白茶には成分としてカテキンなども含まれています。

白茶(はくちゃ/ホワイトティー)の保存方法は?

直射日光が当たる場所や、高温多湿になる場所は避けて保存しましょう。

まとめ

まろやかな甘みとすっきりした香りを味わえる白茶は、ティータイムやリラックスタイムにぴったり。繊細で優しい味わいを、ぜひ一度試してみてください。

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塩原大輝(しおばらたいき)
有限会社山年園 代表取締役です。巣鴨のお茶屋さん山年園は、巣鴨とげぬき地蔵通り門前仲見世にあり、60年余りの間、参拝のお客様にご愛顧頂いている茶舗「山年園」です。健康茶、健康食品、日本茶、巣鴨の情報などをメインに、皆様のお役に立てる耳寄り情報をまとめています。
このコラムを書いた人
塩原大輝(しおばらたいき)

有限会社山年園 代表取締役です。巣鴨のお茶屋さん山年園は、巣鴨とげぬき地蔵通り門前仲見世にあり、60年余りの間、参拝のお客様にご愛顧頂いている茶舗「山年園」です。健康茶、健康食品、日本茶、巣鴨の情報などをメインに、皆様のお役に立てる耳寄り情報をまとめています。

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