山本嘉兵衛は、お茶の歴史を語るのに欠かせない人物の1人です。現在私たちが飲んでいる、玉露や狭山茶などの発展にも貢献しました。
本記事では、山本嘉兵衛についてご紹介します。
山本嘉兵衛とはどんな人物?
山本嘉兵衛の読み方は「やまもとかへえ」です。
この山本嘉兵衛という名前は、実は1人の人物を指すものではありません。何代にも渡って複数の人物たちが名乗ってきたものです。その名は代々受け継がれ、今までに「〇代目山本嘉兵衛」という人物が何人も存在しました。
何代にもわたる山本嘉兵衛ですが、初代山本嘉兵衛は元禄3年(1690年)にお茶屋を創業したことで知られています。
初代山本嘉兵衛が創業者として江戸日本橋に作ったお茶屋こそが、現在まで続くお茶と海苔の老舗、「山本山(やまもとやま)」です。
山本嘉兵衛と永谷宗円
山本嘉兵衛を語るには外せない人物がいます。それが永谷宗円(ながたにそうえん)です。
永谷は、延宝9年(1681年)に京都・宇治田原町で生まれました。「煎茶の祖」として知られており、永谷が生み出した「青製煎茶製法」という製法によって、それまで見た目も味もあまり良くなかったお茶の品質が大きく向上し、美味しい煎茶が生まれました。
永谷は青製煎茶製法でできた煎茶を、山本嘉兵衛商店(現在の山本山)に売り込みに行きました。その煎茶の美味しさに感動した4代目の山本嘉兵衛が、自分の店で販売することを決め、山本嘉兵衛商店で初めて煎茶が販売されたといわれています。
ちなみに、「お茶づけ海苔」で有名な永谷園は、永谷の子孫である永谷嘉男(ながたによしお)が創業した会社です。永谷宗円については、下記の関連記事でも詳しく触れています。
5代目・山本嘉兵衛は、狭山茶の販路拡大に貢献
5代目の山本嘉兵衛は、狭山茶を広めることに貢献した人物として知られています。
文化13年(1816年)に、狭山丘陵近辺で採取した茶葉でできたお茶が、山本山に送られました。
このお茶を飲んだ5代目山本嘉兵衛は、その風味の良さに感銘を受け、のちの狭山茶の販路拡大と品質向上に貢献しました。
6代目・山本嘉兵衛と玉露について
山本嘉兵衛の6代目は、天保6年(1835年)に玉露(ぎょくろ)製法の原型を生み出したとされています。
玉露の製法とは、被覆栽培(覆下栽培)です。煎茶などでは、茶葉を日光に当てて生育します。一方の被覆栽培では、藁や寒冷紗(かんれいしゃ)といった覆いで茶葉をカバーし、直射日光が当たるのを防ぎます。
直射日光に当たらないことで、茶葉内に含まれるテアニンがカテキンに変化するのを防ぎます。テアニンはお茶の旨味や甘み成分なので、テアニンが多く残ったお茶は旨味と甘みが強くまろやかになるのです。
さらに6代目山本嘉兵衛は、その被覆栽培で育てた茶葉を丸くあぶってお茶にしました。
この丸くあぶられた茶葉は「玉露」と名付けられ、山本山で販売されました。玉露の名前の由来としては、「丸い茶葉がまるで露のようだったから」「深い甘みが玉の露のようだから」など諸説あるようです。
今までのお茶とは違う、甘くまろやかな風味は旗本(はたもと)や大名たちからも評判だったといわれています。
9代目・山本嘉兵衛が、現在の主力商品「海苔」を販売
山本山は、日本茶だけではなく海苔も主力商品になっています。
昭和22年(1947年)、9代目の山本嘉兵衛は有明産の最高品質の海苔の味に感動し、海苔の製造・販売を始めました。
山本山で海苔の製造をできたのには、同社の歴史が関係しています。
江戸時代の山本山では、お茶の製造・販売をしながら和紙も作っていました。この和紙を作る技術が海苔作りにも活かされ、山本山の主力商品となったのです。
山本嘉兵衛が創業した「山本山」の現在
元禄3年(1690年)に初代山本嘉兵衛から始まった山本山も、2024年時点で創業330年になりました。
山本嘉兵衛が生み出した玉露ならびに日本茶は、現在も多くの人たちに愛されています。
現在の山本山は、創業以来続けてきた茶業のノウハウを活かして、国内のみならず海外進出を果たしています。
昭和45年(1970年)にはブラジルでお茶の生産を開始し、5年後の昭和50年(1975年)にはアメリカのロサンゼルスに現地法人を設立しました。
そこを拠点として、日本茶だけではなくハーブティーや海苔などを世界に向けて販売しています。
山年園で販売している玉露について
なお、山年園でもオリジナルの玉露を扱っています。まろやかで甘く、深い香りを楽しめる玉露は、特別な日に飲みたいお茶です。ぜひご家庭用に、ギフト用に購入してみてはいかがでしょうか。
玉露茶
商品名 | 玉露茶 |
商品区分 | 食品・飲料 |
内容量 | 100g |
原材料名 | 緑茶 |
原産地 | 京都府宇治市 |
使用上の注意 | 開封後はお早めに召し上がりください。 |
保存方法 | 常温保管してください。高温多湿、直射日光は避けて保管してください。 |
賞味期限 | 製造日より約12ヶ月 |
販売事業者名 | 有限会社山年園 〒170-0002 東京都豊島区巣鴨3-34-1 |
店長の一言 | 高級な京都宇治市の玉露茶です。 老舗のお茶屋がこだわり抜いた玉露茶を是非お試しください(^-^)/ |
八女の玉露 ティーバッグ
商品名 | 玉露(ティーバッグ) |
商品区分 | 食品・飲料 |
内容量 | 40g(5g×8包) |
原材料名 | 茶(福岡県産) |
賞味期限 | 製造日より約1年 |
保存方法 | 高温多湿を避け、移り香にご注意ください。 |
使用上の注意 | 新鮮な風味を守るため開封後はチャックを閉じて保存してください。お茶は鮮度が大切です。開封後はお早めにお飲みください。 |
使用方法 | 1. お湯を十分に沸騰させ、少し冷ましてください。2. 急須に1包を入れ、お湯を注ぎます。3. お好みにより1分程度待ってから均等に回し注ぎます。 ※熱湯には十分ご注意ください。※ティーバッグの個数、浸出時間等はお好みで調節してください。 |
加工者 | 有限会社山年園 〒170-0002 東京都豊島区巣鴨3-34-1 |
店長の一言 | 玉露の産地 星野村の奥深い「味」、上品な「香」を堪能できる玉露です。 老舗のお茶屋がこだわり抜いた玉露を是非ご賞味ください(^-^)/ |
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