鹿児島県の代表的なお茶の品種、「ゆたかみどり」。
温暖な気候で良く育つゆたかみどりは、渋みのきいた深い味わいが人気です。
今回は、お茶の品種の1つである「ゆたかみどり」の特徴や魅力を解説します。
「ゆたかみどり」とはどんな品種?
「ゆたかみどり」は、主に鹿児島県で作られている国内生産量2位のお茶の品種です。苦みや渋みが強いため、深蒸し茶にして飲みやすくすることが多いです。
「ゆたかみどり」と「さえみどり」の違い
「さえみどり」も鹿児島県を中心に作られるお茶の品種です。
どちらも温暖な気候下での育成に適しています。最近では、静岡県や近畿地方などでも生産されるようになりました。なお、「さえみどり」の国内生産量は「ゆたかみどり」に次いで3位です。
「ゆたかみどり」と「さえみどり」の大きな違いは味です。「ゆたかみどり」はカテキンを多く含んでいるため、強い渋みや苦みがありますが、「さえみどり」は甘くまろやかな味を感じます。
「ゆたかみどり」と「おくみどり」の違い
「ゆたかみどり」と「おくみどり」の大きな違いは収穫時期と味です。「おくみどり」は晩生品種ですが、「ゆたかみどり」は早生品種です。
また、「ゆたかみどり」に比べると、「おくみどり」は苦みや渋みが少なく、旨味が強くてまろやかです。
「ゆたかみどり」の新茶の時期について
「ゆたかみどり」は早生品種であるため、新茶の収穫時期が早いです。
「やぶきた」をはじめ、新茶の時期は八十八夜とよばれる5月2日頃であることが多いです。
「ゆたかみどり」は「やぶきた」と比べると1週間ほども早く、七十七夜にあたる4月20日頃に収穫されることが多いです。
「ゆたかみどり」をはじめ、鹿児島県で作られるお茶は新茶の収穫時期が早いことで知られています。
特に、国内でもっとも早く収穫される新茶は「走り新茶」とよばれ、「ゆたかみどり」も走り新茶として流通することがあります。
「ゆたかみどり」の主産地である鹿児島県と知覧茶について
「ゆたかみどり」は、その大半が鹿児島県で生産されています。
鹿児島県は国内でも温暖で、新茶の時期ももっとも早い茶産地です。
鹿児島県で作られるお茶で特に有名なのが「知覧茶(ちらんちゃ)」です。知覧茶は、南九州市の頴娃町(えいちょう)・知覧町・川辺町で主に作られます。
多くのお茶はやぶきた品種が大半を占めますが、知覧茶は「やぶきた」が約40%、「ゆたかみどり」が約30%を占めており、珍しい割合になっています。
ちなみに「ゆたかみどり」は、1966年に鹿児島県の奨励品種に登録されました。奨励品種とは、明らかに品質が優れており、各都道府県内に普及すべきと認定された主要農作物のことをいいます。
ゆたかみどりの特徴
「ゆたかみどり」の特徴をいくつかご紹介します。
国内で2番目に多く作られる
「ゆたかみどり」は、国内におけるお茶品種別生産量でみると、1位の「やぶきた」に次いで2位の生産量を誇ります。農林水産省が発表したデータによると、令和元年の品種別の茶園面積は、1位が「やぶきた」で71.5%、2位が「ゆたかみどり」で6.3%でした。
深蒸し茶に適している
「ゆたかみどり」は苦みと渋みが強いため、深蒸し茶にして旨味や甘みを出すことが多いです。
深蒸し茶とは、一般的なお茶よりも長めに茶葉を蒸して作られるお茶のこと。通常の煎茶は、30~40秒ほど茶葉を蒸しますが、深蒸し茶は60~180秒と長めに蒸します。長時間じっくり茶葉を蒸すことで、渋みが抑えられて旨味が増し、まろやかな味わいになります。
「ゆたかみどり」の味や香りについて
「ゆたかみどり」を実際に飲んだ方の味や香りの感想を、Xよりピックアップしてご紹介します。
おはようございます。
今日は、東京茶寮のゆたかみどり(農園 東八重製茶)について投稿です。ミルクを想像させる甘い香り。味は、ゆたかみどりらしい甘味・旨味が濃厚で苦味が少々。かにやの福穀もちと一緒にいただいた。和菓子もお茶も甘味がしっかりあって美味しい。#東京茶寮#ゆたかみどり pic.twitter.com/sle01gtcS2— お茶のすゝめ (@ochanosusume) December 9, 2019
こんばんは。
本日2回目の投稿です。以前、投稿したルピシアのゆたかみどりを淹れて飲みました。ゆたかみどりの味!美味しい。
味は、深蒸しのため、お茶の独特の青さを強く感じるのに青さに癖がなく少し旨味と甘味があり、味のバランスが良いです。これからも美味しいゆたかみどりを探していきます。 pic.twitter.com/InrWTvl76E— お茶のすゝめ (@ochanosusume) May 24, 2019
お茶ようございます🍁今朝はルピシア「知覧ゆたかみどり」で朝お茶しました。コクがありつつ渋味も主張してます。落ち着く。ルピシアは日本茶も豊富にあり、日本茶のテキストに出てくる茶種を揃えるのに便利ですね。興梠さんの釜炒り茶などまとめて買いました。週末渋谷も楽しみ#かわいい日本茶 pic.twitter.com/0hKqmhgnN8
— モリコ@お茶が好き (@novels1031) November 25, 2019
お茶!
『知覧ゆたかみどり』
深蒸し煎茶、味が凄くまろやか!癖も苦味もなくて飲みやすい!本当にまろやか!
お茶請けは京都物産展で買った生八つ橋と京菓子!京菓子はどれも可愛くてあれこれ買ってしまった( ॢ˘͈ ᵕ˘͈ ॢ) pic.twitter.com/TPdvR6rGlO— さき@4/1『アルバート家の令嬢は~』6巻発売! (@09_saki_12) August 6, 2020
やはり、深蒸し茶だと苦みや渋みが抑えられてまろやかな味わいと感じる方が多いようです。渋みが苦手な方は深蒸し茶を選ぶか、水出しにしてアイスで飲むと甘くまろやかになるのでおすすめです。
ゆたかみどりの美味しい入れ方
急須に1人あたり3gほどの茶葉を入れます。そこに、70~80度ほどに冷ましたお湯を注ぎ急須のフタをして30~40秒ほど蒸らします。あとは急須を揺らしすぎないようにしながら、湯呑みに回し注ぎすればOKです。
ゆたかみどりは深蒸し茶であることが多いです。熱湯ではなく70~80度ほどの少し冷めたお湯を使い、深蒸し茶ならではの旨味や甘みをじっくり引き出しましょう。
また、ゆたかみどりは水出しでも美味しくいただけます。
10~15gほどの茶葉を入れたティーバッグを水を注いだポットに入れて、冷蔵庫で一晩置くだけ。アイスでじっくり淹れることで、苦みや渋みが抑えられ、甘くまろやかな味を楽しむことができます。
山年園で販売している「ゆたかみどり」について
山年園でも美味しい「ゆたかみどり」のお茶を販売しています。
「煎茶知覧」は、ふくよかな香りのなかにしっかりした甘さを感じられる、飲みやすい「ゆたかみどり」のお茶です。ティータイムやお食事のお供に、当社人気商品の煎茶知覧をぜひご賞味ください。
煎茶「ゆたかみどり」
商品名 | 煎茶 知覧 |
商品区分 | 飲料 |
内容量 | 【1袋あたりの内容量】 200g |
原材料名 | 茶葉 |
原産地 | 日本産 鹿児島県川辺郡知覧 |
使用上の注意 | 開封後はお早めに召し上がりください。 |
保存方法 | 常温保管してください。高温多湿、直射日光は避けて保管してください。 |
賞味期限 | 製造日より約12ヶ月 |
販売事業者名 | 有限会社山年園 〒170-0002 東京都豊島区巣鴨3-34-1 |
店長の一言 | 特攻隊が飛び立った飛行場で有名な知覧町のお茶です。 香りと甘みが強く当店でも非常に人気な日本茶です(^-^) |
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