抹茶や玉露といった高級茶を飲むと、まろやかで上品な甘さに驚く方も多いでしょう。
これらのお茶は、煎茶などとは異なる被覆栽培(覆下栽培)という方法で作られています。
被覆栽培(覆下栽培)とは?
被覆栽培とは、茶葉を日光から遮って育てる栽培方法です。読み方は「ひふくさいばい」。
覆いをかけることから、覆い下栽培/覆下栽培(おおいしたさいばい)とよばれることもあります。
煎茶などの栽培では、茶葉は日光を直接浴びて育ちます。一方、被覆栽培では藁や、むしろ、こも、寒冷紗(かんれいしゃ)などの覆いでカバーし、日光が直接当たるのを防ぎます。
こうすることで、茶葉の光合成が阻害され、甘く旨味の強いお茶になるのです。
被覆栽培(覆下栽培)の種類
被覆栽培の方法には、「棚がけ被覆」と「直がけ被覆」の2種類があります。
棚がけ被覆は、茶畑の上に棚(骨組み)を建てて、その棚に覆いをかける方法です。
覆いは黒い寒冷紗をかけるのが一般的です。覆いを開閉することができるため、被覆期間を調整しやすいのがメリットです。
丸太を建てて、よしずと藁をかける本簾(ほんず)被覆栽培という方法もあり、こちらは何百年も続く伝統的な方式で、今では珍しくなっています。
一方の直がけ被覆は、チャノキ自体に直接覆いをかける方法を指します。
被覆栽培(覆下栽培)の特徴
被覆栽培で作られたお茶は、日光から遮られることでさまざまな特徴が生まれます。
甘みや旨味が強く、渋みや苦みが少ない
最大の特徴は強い甘みや旨味です。チャノキに覆いをかけることで、茶葉に日光が直接当たらなくなります。
通常、茶葉は日光を浴びることで光合成し、茶葉に含まれる甘みや旨味の成分であるテアニンが、苦みや渋み成分の元となるカテキンに変化していきます。しかし、被覆栽培で光合成を阻害することで、テアニンがカテキンに変化するのを防ぎ、テアニンが多くカテキンが少ないお茶になります。
テアニンが豊富なことで、甘みや旨味が強くまろやかなお茶になるのです。
覆い香が生まれる
被覆栽培されたお茶には、覆い香(おおいか)とよばれる海苔に似た独特な香りが生まれます。これは被覆栽培することでしか出ない香りです。
ちなみに、被覆栽培をすると「ジメチルスルフィド」という香気成分が発生しますが、この成分はは発酵食品や野菜などにも含まれています。
被覆茶について
被覆栽培で作られるお茶を、総称として「被覆茶(覆い下茶)」ともよびます。被覆茶に分類されるお茶を3つご紹介します。
かぶせ茶
かぶせ茶は、短期間だけ被覆栽培を行う被覆茶です。被覆栽培を行う期間は1週間〜2週間ほどと短めで、ちょうど煎茶と玉露の間に位置するお茶といえます。
かぶせ茶の主産地は三重県で、そのなかでも特に伊勢、四日市、鈴鹿などが名産地です。
低温で長時間浸出させると玉露のような甘みを感じられ、高温で短い時間浸出させると煎茶に似た程良い苦みと渋みを感じられます。
玉露
玉露は20~30日間ほど被覆栽培されて育ちます。玉露の主産地は京都の宇治や福岡の八女(やめ)などです。
1ヶ月ほど被覆栽培することで、茶葉に含まれるテアニンがじっくりと蓄えられ、芳醇な甘みとまろやかな旨味をもったお茶になります。玉露は高級で、煎茶の4倍ほどの価格になることも。甘く美味しいお茶として定評があります。
てん茶(碾茶)・抹茶
てん茶(碾茶)は抹茶の原料となるお茶のことをいいます。
てん茶は、玉露のように手や機械で揉む工程はなく、蒸した茶葉を風で吹き上げて水分をとばす「散茶」という方法で作られます。このてん茶を茶臼(ちゃうす)などで粉状にしたものが抹茶となります。
山年園で販売している日本茶について
当社でも、被覆栽培で作られるお茶をいくつか販売しています。被覆茶ならではの豊かな甘みと旨味を、ぜひご堪能ください。
知覧かぶせ
商品名 | 煎茶 知覧かぶせ |
商品区分 | 飲料 |
内容量 | 【1袋あたりの内容量】 100g |
原材料名 | 茶葉 |
原産地 | 日本産 鹿児島県川辺郡知覧 |
使用上の注意 | 開封後はお早めに召し上がりください。 |
保存方法 | 常温保管してください。高温多湿、直射日光は避けて保管してください。 |
賞味期限 | 製造日より約12ヶ月 |
販売事業者名 | 有限会社山年園 〒170-0002 東京都豊島区巣鴨3-34-1 |
店長の一言 | 特攻隊が飛び立った飛行場で有名な知覧町のお茶です。 香りと甘みが強く当店でも非常に人気な日本茶です(^-^) |
玉露茶
商品名 | 玉露茶 |
商品区分 | 食品・飲料 |
内容量 | 100g |
原材料名 | 緑茶 |
原産地 | 京都府宇治市 |
使用上の注意 | 開封後はお早めに召し上がりください。 |
保存方法 | 常温保管してください。高温多湿、直射日光は避けて保管してください。 |
賞味期限 | 製造日より約12ヶ月 |
販売事業者名 | 有限会社山年園 〒170-0002 東京都豊島区巣鴨3-34-1 |
店長の一言 | 高級な京都宇治市の玉露茶です。 老舗のお茶屋がこだわり抜いた玉露茶を是非お試しください(^-^)/ |
八女の結
商品名 | 抹茶 |
商品区分 | 食品・飲料 |
内容量 | 30g |
原材料名 | 緑茶(福岡県産) |
賞味期限 | 製造日より約1年 |
保存方法 | 高温多湿を避け、移り香にご注意ください。 |
使用上の注意 | お茶は鮮度が大切です。開封後はお早めにお飲みください。 |
加工者 | 株式会社 吉田園 福岡県八女市黒木町本分1159-5 |
販売者 | 有限会社山年園 〒170-0002 東京都豊島区巣鴨3-34-1 |
店長の一言 | 緑茶の産地 八女の抹茶です。最高級の甘み、香りが堪能できます。 老舗のお茶屋がこだわり抜いた抹茶を是非ご賞味ください(^-^)/ |
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