ほろ苦い味わいと豊かな風味が魅力の「抹茶」。飲料としてはもちろん、お菓子や料理の材料としても用いられており、日本人とは切っても切れない関係にあります。
実は、抹茶には「薄茶」と「濃茶”」があるのをご存じですか?
それぞれ味わいや風味だけでなく、作り方や飲み方にも違いがあるのです。
そもそも、抹茶とは何か?
まずは、抹茶とは何かについておさらいします。
抹茶とは緑茶の一種で、碾茶(てんちゃ)を茶臼や石臼などで粉末状にしたものを指します。
碾茶とは、被覆栽培した茶葉を収穫後、手もみ製法を行わずに乾燥させた茶葉のことです。煎茶の場合だと、日光に当てて栽培した茶葉を摘み取り、それを蒸して揉みながら乾燥させる製法でつくられます。
また、カテキン量も突出して多いです。抹茶の薄茶一杯(約60ml)に含まれるカテキンの量は約200mgです。その一方で、煎茶の抽出液100mlに含まれるカテキンは16.3mg、番茶だと4.6mgなので、いかに多いかがみてとれます。
濃茶(こいちゃ)とは?
抹茶には、大きく分けて薄茶(うすちゃ)と濃茶(こいちゃ)の2種類があります。
一般的にイメージされる抹茶は、薄茶にあたります。
濃茶は薄茶の2~3倍の抹茶を使用しており、抹茶の芳醇な香りと濃厚な味わいを堪能できるのが魅力です。
また、薄茶は薄茶用と濃茶用の茶葉、いずれも使用可能ですが、濃茶で使用できる茶葉は濃茶用のものに限定されます。
茶道においては、薄茶よりも濃茶の方が格式が高いとされており、重要なおもてなしに用いられる抹茶になります。
濃茶と薄茶の違い(作法・飲み方・作り方など)
濃茶と薄茶の違いは、味や見た目だけではありません。作り方や使う茶器、飲み方にもそれぞれ細やかな違いがあります。
味・見た目
薄茶は抹茶特有の苦みがあるものの、味わいは比較的軽く、飲み口はサラサラとしています。
一方、濃茶は濃厚な抹茶の風味と高い粘度が特徴です。濃厚といっても苦みや渋みが強いわけではなく、上品な香りや、ほんのり甘くまろやかな味わいをしています。
よく、“薄茶は普通のコーヒー、濃茶はエスプレッソ”という表現をされます。
作り方(練り方・点て方)
薄茶は、薄く泡を点ててお茶を作ります。茶筅(ちゃせん)を使ってシャカシャカ泡立てるイメージです。この作法のことを“点てる”といいます。
一方で、濃茶は薄茶の倍以上の抹茶をお椀に入れ、少量のお湯を注いで作ります。泡立てるのではなく、なでるように混ぜるのがポイントです。濃茶を淹れるこの作法を“練る”といいます。
お点前
茶道におけるお点前は、大きく以下のような手順で行われます。
- 道具の運び出し
- 道具を清める
- お茶を点てる
- 道具をしまう(道具を清め、片づける)
- 茶器を拝見に出す
基本的な流れは薄茶も濃茶も変わりませんが、全体的な雰囲気やお茶を振る舞うときの作法が異なります。
薄茶は、リラックスしたムードで行われるケースが多いです。また、おかわりすることも可能です。
一方、濃茶を嗜むときは会話は行わず、静粛な雰囲気のなかで堪能します。口にするのは一度だけで、原則おかわりはできません。
茶器
濃茶と薄茶では、使用する茶器も異なります。例えば、抹茶を混ぜる“茶筅(ちゃせん)”です。
抹茶を泡立てる薄茶には、穂数が100本ある茶筅を選ぶのが一般的です。一方、茶を練る濃茶には穂数が少ない80本の茶筅を使用します。
また、薄茶と濃茶では、使われる茶碗にも違いがあります。
薄茶は基本的には自由に茶碗を選べますが、濃茶は茶事のメインとなるため、格の高い茶碗を用いると定められています。具体的には、以下のような茶碗が用いられます。
- 楽焼(らくやき)
- 萩焼(はぎやき)
- 唐津焼(からつやき)
「一楽・二萩・三唐津(いちらく・にはぎ・さんからつ)」といわれているように、格式がもっとも高いとされているのが楽焼の楽茶碗です。
楽茶碗は、手とへらだけで成形する「手捏ね(てづくね)」で作られており、手に吸い付くような質感が特徴です。特に格式が高い茶会では、柄のない無地の楽茶碗が使用されます。
また、熱が冷めにくいように厚手になっていたり、複数人で回し飲みできるよう大きめのサイズになっていたりするのも、濃茶に用いられる茶碗の特徴です。
抹茶の種類
濃茶は茶事の主役であるため、専用の茶葉を使用します。
抹茶のなかでも、甘味やうま味が強い高級な茶葉を使うのが一般的です。
濃茶用の茶葉を薄茶に使用しても問題ありませんが、薄茶用の茶葉は渋みが強いため、濃茶に用いるのには向いていません。
薄茶は「山月の白」「音羽の白」のように「白」がつく銘柄を、濃茶は「先陣の昔」「三宝の昔」など「昔」がつく銘柄が多いため、ご自身で購入する際は確認してみましょう。
カフェインの量
抹茶を作るときは、薄茶は2g、濃茶の場合は4gの茶葉を使用するのが目安です。以上をもとに、抹茶1杯を飲んだときに摂取するカフェイン量を計算してみましょう。
・濃茶(4g):128mg
コーヒー1杯のカフェイン量が60mgといわれているため、薄茶1杯とほぼ同等です。
濃茶はさらにカフェインの含有量が多くなっていますが、濃茶は全量を1人で飲むわけではないため、あくまでも目安量として考えておくと良いでしょう。
飲み方
薄茶は一人ずつに茶碗が用意され、個々でリラックスしながら飲むのが一般的です。3口で飲み切るのが作法といわれていますが、厳密な決まりはなく、好きな回数で飲む方も多くいます。
一方、濃茶は全員で回し飲みをします。
次の人でお茶がなくならないように配分を考えながら飲み、「小茶巾(こちゃきん)」と呼ばれる布で飲み口を拭いて、次の人へと渡します。最後に飲む人は、飲み残しのないよう吸い切るのが作法です。
お菓子
抹茶を嗜む前は、お菓子を食べることで知られています。抹茶にはカフェインが多く含まれているため、空腹の状態では胃に負担がかかるためです。実は、このお菓子も薄茶と濃茶で種類が異なります。
例えば、薄茶用のお菓子は「和三盆」や「落雁(らくがん)」などの干菓子を用意します。薄茶はおかわりが可能なため、お菓子も多めに用意するのが一般的です。
一方、濃茶には「練りきり」や「饅頭」などの生和菓子を提供するのが通例です。濃茶はお代わりできないため、お菓子も人数分しか用意されません。
山年園が販売する抹茶について
日本の伝統文化である抹茶ですが、意外と抹茶の作法については知らないことばかり。濃茶と薄茶によって、作り方や飲み方、作法に違いがあるため、いざというときに恥をかいてしまわないよう、知識を蓄えておきましょう。
山年園でも、濃茶専用の茶葉を販売しております。当社で販売しているのは、「茶寿の昔」「先陣の昔」と、どちらも最高級の宇治抹茶。
茶席の濃茶で利用されるのはもちろん、お菓子や料理づくりなどの用途でも扱えます。ご購入希望の方は、下記よりどうぞ。
抹茶 茶寿の昔
商品名 | 抹茶 茶寿の昔 |
商品区分 | 食品・飲料 |
内容量 | 【1缶あたりの内容量】 30g |
原材料名 | 緑茶 |
原産地 | 日本産 京都府宇治市 |
使用方法 | お茶、ケーキ、お菓子作りなど、様々な用途で扱えます。 少量でも抹茶の風味・香りが強いので、少しづつ使用することをおススメします。 |
使用上の注意 | 開封後はお早めに召し上がりください。 |
保存方法 | 常温保管してください。高温多湿、直射日光は避けて保管してください。 |
賞味期限 | 製造日より約8ヶ月 |
販売事業者名 | 有限会社山年園 〒170-0002 東京都豊島区巣鴨3-34-1 |
店長の一言 | 老舗のお茶屋が自信を持ってオススメする最高級な宇治のお抹茶です(^-^) |
抹茶 先陣の昔
商品名 | 抹茶 先陣の昔 |
商品区分 | 食品・飲料 |
内容量 | 【1缶あたりの内容量】 30g |
原材料名 | 緑茶 |
原産地 | 日本産 京都府宇治市 |
使用方法 | お茶、ケーキ、お菓子作りなど、様々な用途で扱えます。 少量でも抹茶の風味・香りが強いので、少しづつ使用することをおススメします。 |
使用上の注意 | 開封後はお早めに召し上がりください。 |
保存方法 | 常温保管してください。高温多湿、直射日光は避けて保管してください。 |
賞味期限 | 製造日より約8ヶ月 |
販売事業者名 | 有限会社山年園 〒170-0002 東京都豊島区巣鴨3-34-1 |
店長の一言 | 老舗のお茶屋が自信を持ってオススメする最高級な宇治のお抹茶です(^-^) |
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