焙烙(ほうろく)という茶器を知っていますか?
ほうじ茶などの茶葉を焙煎する際に使う茶具のこと。
実は、茶葉以外にもごまやコーヒーなど、さまざまな食材を焙煎でき、一家に一台あるととても便利。
今回は、知られざる炮烙の使い方について解説。
焙烙(ほうろく)とは
焙烙は、素焼きの土鍋の一種で、ほうらく・ほうろくと読みます。
ごま炒り器/焙じ器(ほうじき)/煎り鍋・炒鍋(いりなべ)など、地域によってさまざまな呼び方があります。
茶葉に限らず、胡麻や大豆、コーヒー豆、銀杏、湿気った塩を蘇らせたりするのにも使えて、調理器具としての非常に有用です。
焙烙の形はさまざまですが、特に急須のような形状の取っ手がついたタイプの炮烙がポピュラーです。
焙烙がない方は耐熱のお皿や、食材によっては空焚きできるフライパンなどで代用すれば、炒りたてのお茶や胡麻を楽しむことも。
最近は、炒りたてのほうじ茶を自宅で簡単に楽しめるため、焙烙の人気がじわじわと高まっています。
焙烙(ほうろく)の選び方・ポイント
人にほうじ茶を振る舞う時に炮烙を使うのか、それとも手軽に飲むために使うのかによって、選び方が変わってきます。
直火OKか?
ほとんどの炮烙が耐熱性で直火OKですが、まれに素材にこだわった炮烙だと、割れやすくなったり、ひび割れてしまったりすることがあります。
手軽に使いたければ、高温でも耐えられる直火OKのものを選びましょう。
注ぎ口が付いているか?
数としては少ないですが、急須の機能が合わさった炮烙も売られています。
注ぎ口がついている炮烙だと、そのままお湯を注げば、ほうじ茶が完成するため、とても手軽です。
取っ手にカバーがついているか?
耐熱性であっても伝熱はするため、取っ手の部分が非常に熱くなります。
取っ手にカバーがついている炮烙であれば、手袋などを使わずそのまま素手で掴むことができます。
焙烙(ほうろく)の使い方
焙烙の使い方はとても簡単です。
焙烙の穴の中に茶葉や食材を入れ、直火にかけます。
焙煎時間の目安はほうじ茶が1~2分、胡麻は2分です。
お好みの炒り具合になるまで、食材の変化を目と鼻でゆっくり楽しみましょう。
焙烙を時々ゆすって火通りを均一にしたり焦げを防止したりする必要があるため、取っ手がついている片手鍋タイプの焙烙が扱いやすいです。
熱が内側にこもるため火通りがよくなり、不慣れな方でも上手に扱えます。
焙烙(ほうろく)のお手入れ
カビの原因になるので、使い終わった焙烙は水でさっと洗ったらよく乾かしましょう。
茶渋の汚れがこびりついたり黒ずんだりしてきた時は、タワシでよく擦りましょう。
ただし、あまり強く擦ると炮烙に施された耐熱加工がとれてしまうことがあるので、柔らかい素材のもので洗いましょう。
特別なメンテナンスは必要なく、日々のお手入れで十分に長持ちします。
焙烙(ほうろく)で自家製ほうじ茶を作る
焙烙と茶葉があれば、自宅で手軽に炒りたてのほうじ茶が楽しめます。
まず、焙烙を中火で3分程度ゆるく温めます。
手をかざし温まったことを確認したら、お好みの茶葉を手早く入れましょう。
取っ手つきの小さな焙烙であれば、一度に15gほどがうまく炒れる目安です。
弱火に落とし2〜3分炒ります。焙烙を時々ゆすり焦げないようにします。
取っ手にカバーがついていないタイプの炮烙を使う場合は、火傷しないように折りたたんだ布やミトンなどを装着してください。
次に、強火で2分炒ります。茶葉が茶色くなってきたら引き上げましょう。
長く炒ると焦げて苦味が出てしまうので注意です。
まとめ
今回は「焙烙(ほうろく)」の使い方を紹介しました。
焙烙がひとつあれば、自宅で簡単に自家製ほうじ茶が楽しめますよ。
炒りたての香ばしいお茶はもちろん、胡麻やコーヒー豆の焙煎にも使えるなど、とても万能な茶器です。
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