茶室にさりげない彩りを添えるのが茶花。
茶花は、知れば知るほど奥が深く、さまざまな見せ方、楽しみ方があります。
本日紹介する茶花を参考に、味覚だけでなく視覚でも、茶道を楽しみましょう!
茶花とは?
茶花とは、茶室の床に飾る花のことです。
読み方は「ちゃか」ではなく「ちゃばな」と呼びます。
茶室において、四季を表す大切な役割を担っています。
また、生け花と混同されますが、全く異なるものです。
茶花・・・自然そのまま、ありのままに生ける
茶花は、茶道の文化で、千利休による「花は野にあるように」という考えから来ています。
そのため、選ばれる花も、山に自生している野草が選ばれることが多いです。
茶花の生け方・入れ方
茶花の生け方にはいくつかルールがあります。
自生した草木花を使う
茶道の「花は野にあるように」の考え方が根本にあるため、自生した草木花を生けるのが基本ですが、それが難しい場合は、自宅の庭で育てたものを生けましょう。
季節に合わせて選ぶ
春夏秋冬を感じられる花を生けましょう。
それぞれ季節によって定番で使われる花があります。
下記を参考にしてください。
夏・・・カキツバタ、ショウブ、フウセンカズラ、アサガオ、ヒルガオ
秋・・・桔梗、ムクゲ、ツワブキ
冬・・・福寿草、スイセン
自然に生けることを意識する
ルールとして、一重、一花一葉、主副脇というものがあります。
あまり難しく捉えずに、「自然に生ける」「野に在る」ということを意識しましょう。
茶花には禁花がある
茶花には「禁花」という考え方があります。
つまり使ってはいけない花です。
実は禁花に当てはまる花は多く、定義もあいまいなので、慎重に使う花を吟味する必要があります。
1.香りのきつい花、悪い花
ジンチョウゲ、クチナシ、キンモクセイ、ゆり等
2.とげや毒のある花
バラ(あざみ、はまなすは例外として使われることもあります。)
3.名前の悪い花
ヘクソカズラ、おみなえし
4.果実系の花
花のように美しいものは使われることがあります。(例:紫式部(花の名前))
5.派手な花、返り咲きする花
太山樒(みやましきみ)
6.季節を感じられない花
7.露地(茶室)に植えている花
洋花や唐花がここに該当します。
8.詩で禁花として詠まれていた花
千利休の弟子、南坊宗啓が茶の湯についてまとめた「南坊禄」の下記の文章に含まれるものが詩の禁花とされています。
茶花にいけぬ花、狂歌に
花入れに入れざるはちんちやうげ
太山しきみにけいとうの花
女郎花ざくろかうほね金銭花
せんれい花も嫌いけりなり
・太山樒(たやましきみ)
・鶏頭(けいとう)
・女郎花(おみなえし)
・柘榴(ざくろ)
・河骨(こうほね)
・金盞花(きんせんか)
この他に、名を知らない花、枯れ花も禁花と言われています。
また、掛け軸とふすまに描かれている花と重ねてはいけないというルールもあります。<参考:https://ameblo.jp/darkpent/entry-12314169484.htmlより>
まとめ
日本の和の心「わびさび」がふんだんに詰まった文化、茶花。
知識として知っておくだけでも、茶道をより楽しむことができます。
今度、茶室に入った時には、ぜひ本日紹介したポイントで茶花をチェックしてみましょう。
面白い発見があるかもしれません。
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