ここ数年で日本茶専門のカフェが数多くオープンし、若者を中心にブームとなっています。
日本人といえど、「抹茶」を飲むことも点てることも自ら機会を作らないとめったにできない体験ですね。
抹茶の点て方も流派によってさまざまな方法があり、奥が深いです。
本日は、具体的に必要な道具と点て方について詳しく解説していきたいと思います。
抹茶を点てる時に必要な道具
抹茶を点てるのに使う道具は、以下の7つです。
● 茶筅(ちゃせん)
● 茶碗
● 茶杓(ちゃしゃく)
● 棗(なつめ)
● 茶筅立てやくせ直し
● 柄杓(ひしゃく)
最低限必要なのは、抹茶、茶筅、茶碗です。
茶杓は抹茶をすくう専用のスプーンで、棗(なつめ)は抹茶を保管しておく専用の筒のことです。
茶筅立てやくせ直しは、消耗品でデリケートな茶筅を長持ちさせるために役立ちます。
すべてを一度に揃えるのは大変ですが、これらの道具があると美しくスムーズに抹茶を点てられるので、徐々に揃えていくとよいでしょう。
【抹茶の点て方】手順とコツ
一般的な抹茶の点て方は、以下の順番で行います。
2. 茶碗にお湯を入れて温める。お湯を捨て、水分はしっかりと拭いておく。茶碗にお湯を入れたときに茶筅を入れ、先端を温め柔らかくしておく。
3. 茶碗に1~2gの抹茶と60ccのお湯を入れる。抹茶は茶杓山盛り一杯、お湯は柄杓に6割くらいを目安に。
4. 片手で茶碗を押さえ、茶筅をM字に動かしてよく撹拌する。
5. 点てたお茶はすぐに飲む。
手順4のとき、流派によって茶筅の動かし方が異なり、理想とする抹茶の仕上がりも異なります。
例えば、裏千家では力強くシャカシャカと茶筅を動かし、カプチーノのようなクリーミーな泡が立つのが理想です。
一方の表千家では手首を柔らかく使って優しく茶筅を動かし、あまり泡立たないように点てるのが理想とされています。
家庭でカジュアルに抹茶を楽しむ場合は、作法ばかりに気を取られず、自分好みの抹茶が点てられるように試行錯誤してみるのもおもしろいですよ。
【濃茶(こいちゃ)の点て方・練り方】薄茶との違い
抹茶には
● 濃茶(こいちゃ)
● 薄茶(うすちゃ)
の2種類があります。
先ほど紹介したのが薄茶の点て方で、一般的に抹茶と呼ばれるものです。
濃茶は薄茶に比べて少ないお湯で点てるため、ドロっとしてツヤがあります。
見た目の強さとは裏腹に苦味は少なく、お茶の甘みと濃い香りを楽しめる抹茶です。
濃茶に使う抹茶や茶碗の種類も薄茶のものとは違い、濃茶には「点てる」ではなく「練る」という言葉が使われます。
濃茶用の抹茶で薄茶を点てるのはOKですが、薄茶用の抹茶で濃茶を練るのはNG。
苦味が強くなりすぎてしまい、おいしく味わえません。
濃茶を練る手順は以下の通りです。
2. 茶碗に抹茶を5g(茶杓4杯)入れ、40mlのお湯を数回に分けて加えていく。
濃茶を練るときのコツは、抹茶をふるいにかけてダマをなくすことと、優しく手早く仕上げることです。
お湯は数回に分けて加えていきますが、初めはごく少量のお湯で抹茶をなじませ、全体を均一にします。
薄茶のように茶筅を激しく動かすのではなく、優しく練るようなイメージで。
そのとき、抹茶を茶碗の底いっぱいに広げすぎないように注意しましょう。
抹茶が冷めやすくなり、香りが飛んだり味が落ちたりする原因になります。
茶筅の洗い方と交換の目安時期
抹茶を点て終わったら茶筅をお湯の中で振り洗いし、お茶が残らないようキレイにしましょう。
水気を切ったら茶筅用のくせ直しに挿して保管すると、先端のカールがキレイに整って使いやすくなり、持ちがよくなります。
茶筅の交換のタイミングは人それぞれで、一概に断言するのが難しいです。
稽古やお店などで1日に10回使う茶筅と、週に2回しか使われない個人の茶筅では減り方に差がありますし、新品のキレイな茶筅を使うべきかどうかによっても変わります。
基本的には茶筅は消耗品であり、場合によっては一度使って捨ててしまうケースもあります。
一つの目安としては、先端のカールが削れてきたり折れたりしてきた頃に交換しましょう。
カジュアルに使うのであれば、先端が多少削れても十分においしい抹茶を点てられます。
まとめ
今回は抹茶の基本的な点て方と、茶筅の扱い方について説明しました。
近年のお茶ブームもあり、通販などで簡単に抹茶の手前セットが手に入ります。
自分だけで抹茶を楽しむのはもちろん、友人や大切な人を家に招いたときに抹茶を点てられたらカッコいいですよね。
自宅でおいしい抹茶を点て、お茶の奥深さを楽しみましょう!
ちなみに、当社山年園でも、極上の抹茶と本格的な茶筅を販売しています。
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